現ヴォルフスブルク・スカウト部長のリティが証言する「日本人SB」高評価の理由

カテゴリ:日本代表

田邊雅之

2014年11月11日

欧州で活躍するSB4人のそれぞれの個性。

ゲームを読むうまさがあるという内田。シャルケでは、いまや攻守両面で不可欠な存在だ。(C) SOCCER DIGEST

画像を見る

 とは言え、欧州でプレーしている4人にも、微妙な違いはある。
 
 まずは内田。最大の特長は、攻撃参加する際の視野の広さだ。然るべき場所に、然るべきタイミングでパスが出せるし、パスの受け手となったFWをサポートしながら、攻撃に絡んでいくのも上手い。先日行なわれたアウクスブルク戦の活躍などは、日本のファンも強烈に覚えていると思う。
 
 守備に回った時に武器になるのは、ゲームの流れを読む能力だ。攻撃の時に視野の広さを生かしているように、内田は守備でも空間把握能力の高さを発揮。内側にシフトして味方の守備陣をサポートしたり、敵のスペースを効果的に消したりする。試合中には、1対1でピンチの芽を摘まなければならない場面も当然出てくるが、内田は相手を潰すタイミングを見極めるのにも長けている。これもゲームを読む上手さを反映したものだ。
 
 次は酒井宏樹。彼の持ち味は、運動量とボールを自ら運びながら攻撃参加していこうとする姿勢にある。1対1の場面での仕掛けをためらわないし、タッチラインを駆け上がったうえで、効果的なクロスを出そうとする。身体も大きく、まさに現代的なSBだ。
 
 酒井高徳も、もちろん新世代のSBのひとりだが、特長は攻撃というよりは守備にあると思っている。クロスからラストパスを出すシーンなどよりは、守備で献身的にチームに貢献するイメージが強い。
 
 そして長友。彼は独特の雰囲気を持っているし、試合に勝ちたいという意欲を全身に漂わせながらプレーする。1対1で仕掛けていく場面は特にそうだ。また小柄なので、ショートレンジのクイックなターンができるし、左右どちらの足でも質の高いクロスを供給できる。
 
 守備の際には、まさにブルドッグのように相手に食らいついていく。彼を見ていると、ベルティ・フォクツを思い出すよ。私が現役だったとしたら、彼のようなSBとはマッチアップしたくない。
【関連記事】
【アギーレジャパンのSB考察】決め手に欠ける定位置争い
ホンジュラス、豪州との2連戦に臨む日本代表メンバー23人の近況レポート|国外組編
内田篤人 充実のパフォーマンスを支える「判断力」
シャルケ 政権交代の真相 ディ・マッテオ新監督招聘でチームはどう変わる?
香川真司 無傷の4連勝でCLベスト16へ 意義深いガラタサライ戦の勝利

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ