バルサBの現状と課題は?
そうしたなかで、トップチームに人材を供給するという本来の役割も疎かになった。即戦力を重視するルイス・エンリケやエルネスト・バルベルデといった近年のトップチームの指揮官の起用方針も重なり、昨シーズンにカルレス・アレニャが台頭するまで、グアルディオラ時代の10年に昇格したセルジ・ロベルトが最後に定着したカンテラーノだった。
前述の降格を機に年齢の高い選手は一掃された。長くカンテラの強化に尽力してきたガルシア・ピミエンタ監督の下で臨んだ昨シーズンは、チュミ、リキ・プッチ、アレックス・コジャード、カルレス・ペレス、オリオル・ブスケッツ、モンチュ、ムヒカといったフベニール(16~18歳)上がりの選手が主軸を担うカンテラーノ色の強い陣容で臨んだが、2部B特有のタフなサッカーに苦戦し、昇格プレーオフ進出すらできなかった。
前述の降格を機に年齢の高い選手は一掃された。長くカンテラの強化に尽力してきたガルシア・ピミエンタ監督の下で臨んだ昨シーズンは、チュミ、リキ・プッチ、アレックス・コジャード、カルレス・ペレス、オリオル・ブスケッツ、モンチュ、ムヒカといったフベニール(16~18歳)上がりの選手が主軸を担うカンテラーノ色の強い陣容で臨んだが、2部B特有のタフなサッカーに苦戦し、昇格プレーオフ進出すらできなかった。
バルサのカンテラの育成力は、今なお欧州でもトップレベルにある。ただ、問題はクラブの方針の軸がブレてしまっている点にある。先日の副会長ジョルディ・メストレの辞任も、カンテラ部門も統括していたペップ・セグーラへの処遇を巡ったフロント内の意見の対立が発端とされる。
また最近もフレンキー・デヨングの代理人を務めるアリ・ドゥルスンの息子マイク・ファン・バイネンのバルサBへの入団が発表され、“コネ補強“と物議を醸している。決して一筋縄ではない状況がカンテラ、そしてバルサBを取り巻いている。
文●下村正幸
協力●ファン・ヒメネス(AS紙バルサ番記者)