東日本大震災を乗り越え「サッカー街」の夢を紡ぐ
11年3月11日、東日本大震災が起き、福島は未曽有の打撃を受けた。地元に帰るのだろうと思われていた、千葉県出身の選手たちは「尚志でサッカーを続けたい」と千葉に帰ることなく、福島の地でサッカーに打ち込んだ。その後も『尚志でサッカーがしたい』という選手たちが福島へとやってきている。そして仲村は地元福島の選手を多く育てるため、ある思いを抱いている。
「目標は星稜や作陽のような、高校サッカー部が中心となって、大きな『サッカータウン』を作ること」
08年にジュニアユースとなる『ラッセル郡山』を設立し、尚志OBも指導陣に加わった。その1期生が今の3年生。社会人チームのFCプリメーラとも積極的に交流を図るなど、大人ともうまく連係しながらやっている。トレーナーも今年からOBが学校近くに開業して、選手たちを常に診てくれるようになった。
「尚志が中心となって、サッカーで福島を盛り上げていきたい」
その求心力となるのが仲村のサッカーだ。『ほめて伸ばす』指導を徹底し、選手たちの自主性を尊重して、型にはめないサッカーをしているからこそ、選手たちは伸び伸びとプレーできている。その一方で、気の緩みをしっかりと締めることも忘れない。
「インターハイ3回戦で青森山田にPK負けをした後、ベスト16という結果に満足してしまったのか、ちょっと気の緩みが見えた。『ベスト16でいいのか? 強豪は絶対に負けない。勝負強さを持っているぞ!』と、尻を叩いた」
「目標は星稜や作陽のような、高校サッカー部が中心となって、大きな『サッカータウン』を作ること」
08年にジュニアユースとなる『ラッセル郡山』を設立し、尚志OBも指導陣に加わった。その1期生が今の3年生。社会人チームのFCプリメーラとも積極的に交流を図るなど、大人ともうまく連係しながらやっている。トレーナーも今年からOBが学校近くに開業して、選手たちを常に診てくれるようになった。
「尚志が中心となって、サッカーで福島を盛り上げていきたい」
その求心力となるのが仲村のサッカーだ。『ほめて伸ばす』指導を徹底し、選手たちの自主性を尊重して、型にはめないサッカーをしているからこそ、選手たちは伸び伸びとプレーできている。その一方で、気の緩みをしっかりと締めることも忘れない。
「インターハイ3回戦で青森山田にPK負けをした後、ベスト16という結果に満足してしまったのか、ちょっと気の緩みが見えた。『ベスト16でいいのか? 強豪は絶対に負けない。勝負強さを持っているぞ!』と、尻を叩いた」
それに対する選手たちの答が盛岡商戦だった。エース林が高い決定力を見せると、CB山城廉が冷静にディフェンスラインをコントロール。左の慶野雄大、右の松葉知己の両SBも積極果敢なオーバーラップを見せ、MF斉藤祐哉がキレのあるドリブルでアクセントを加える。トップ下の中村駿介、ボランチの佐藤凌輔、FW小野寛之も豊富な運動量で林をサポート。攻守ががっちり噛み合った試合を演じた。
逞しくなってきた選手たちを見つめる仲村の目は、相変わらず優しい。その奥にはある強い思いが溢れていた。
「インターハイは5年連続で出場しているけど、選手権は2年連続で出ていない。せっかく尚志でサッカーをやりたい、選手権に出たい子どもたちがたくさん来ているのに、今の3年生はまだ1回も選手権を経験していない。それは僕としてもすごく悔しい。特に今年は可能性が高いチームなので、選手たちに尚志での選手権を体験させてあげたい」
来るべき選手権予選に向けて。心強い『尚志ファミリー』と一丸となることを誓い、仲村浩二は今日も温かな視線を選手たちに向けている。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)
逞しくなってきた選手たちを見つめる仲村の目は、相変わらず優しい。その奥にはある強い思いが溢れていた。
「インターハイは5年連続で出場しているけど、選手権は2年連続で出ていない。せっかく尚志でサッカーをやりたい、選手権に出たい子どもたちがたくさん来ているのに、今の3年生はまだ1回も選手権を経験していない。それは僕としてもすごく悔しい。特に今年は可能性が高いチームなので、選手たちに尚志での選手権を体験させてあげたい」
来るべき選手権予選に向けて。心強い『尚志ファミリー』と一丸となることを誓い、仲村浩二は今日も温かな視線を選手たちに向けている。
取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)