なでしこジャパンのボランチ史を変えた。杉田妃和の躍動の“根源”は高校時代にあり

カテゴリ:日本代表

西森彰

2019年06月27日

オランダ戦で最大のチャンスが79分に訪れる

ボランチでコンビを組むことが多かったのが、三浦。試合を追うごとに距離感が良くなった。(C)Getty Images

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 連係不足が見られた今大会初戦のアルゼンチン戦は、自陣に引きこもる相手に対して、どこまでリスクを冒していいのかを測りかねて、スコアレスドローの遠因を作ってしまった。三浦成美と攻守の分担が整理されたスコットランド戦では、徐々に前線の崩しに関わるシーンが増え、前後半の終了間際にはゴールを脅かすシュートを放つ位置まで顔を出し始めた。この変化について杉田は「試合を重ねるごとに、チームとしての攻撃の的や狙いが合ってきた」と語る。
 
 そしてオランダ戦では、今大会最高の働きを見せる。攻撃時には2トップと連動しながら、ゴールを脅かした。長谷川唯のゴールシーンでも、前線の岩渕真奈、菅澤優衣香と絡んで、これをお膳立て。自身最大のチャンスは、79分のシーン。岩渕からもらったボールを左足に持ち替えて放ったシュートは、クロスバーを直撃した。選手が口々にカギとして挙げていた選手間の距離。杉田と三浦がリンクマンとして機能し、バリエーションは多彩になった。
 
「今日はタイミングや出しどころですごく惜しいシーンもありました。それをゴールで終われたら良かったと思います。前半からボールを回すなかで、相手が嫌がる位置でパスを受けたり、突いていけたりしたら、相手も苦しくなって、後ろで守備をしてくれたかなと思いますし、守備のところでも全体でセットしてどこでスタートを切っていくのかというのが、試合の中でもう少し変えていけたら良かったと思います」(杉田)
 単に攻撃に特化してプレーしたわけではない。オランダの高速カウンターが発動すると、チームの約束事どおり、ディフェンスのコアポジションへ走り、流れの中で戻り切れない選手の代わりにそのスペースを埋めた。
 
「負けたら終わりの中で、攻撃的にいくのも大事ですけれども、失点をしない守備の部分も大事ですし、真ん中のふたりも気持ちがちょっと落ちてしまっていたのもあったかもしれません。『チャンス!』という時に、もう少しスプリントをかけて、前に上がっていけたら良かったと思います」(杉田)
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