【コラム】3世代の日本代表はなぜ“アジア8強の壁”を越えられなかったのか?

カテゴリ:日本代表

浅田真樹

2014年11月04日

U-19代表の精神力が弱かったはずはない。

U-19代表は追い詰められた韓国戦で、大会最高のパフォーマンスを見せた。選手たちの精神力が単純に弱かったわけではないはずだ。(C) SOCCER DIGEST

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 とはいえ、日本の惨敗の原因はストライカー不足にある、と結論づけるつもりは毛頭ない。気になった問題はもっと他にある。今回、3世代の日本代表の戦いぶりを見ていて、一番気になったのはメンタル面の問題だ。
 
 メンタルと言うと、球際の激しさなどと結びつけられて、どうしても闘争心や戦う気持ち、ひいては根性や精神力といったことと混同されがちだが、ここで言いたいのはそれだけの話ではない。あえて言うなら、「試合に臨む心構え」とでも言うべきものだ。
 
 例えば、U-19代表が韓国を下したU-19アジア選手権のグループリーグ最終戦。負ければグループリーグ敗退という瀬戸際で、日本戦では普段以上の力を発揮してくる韓国を相手に勝利したのだから、彼らの精神力が弱かったはずはない。
 
 ところが、それ以外の3試合はどこか淡泊で勝負に徹し切れていなかった。そんな印象を受ける。要するに、メンタル・コントロールがうまくできていないのである。
 
 サッカーに限らずどんな競技であれ、世界の頂点に立つチームや選手がすべての試合に同じ気持ちで臨んでいるとは考えにくい。ワールドカップやオリンピックの決勝であれば、むしろ相応のテンションの高さが必要であり、それをパワーに変えることが必要なのだ。いつも以上に集中力を高め、神経を研ぎ澄ます、といったところだろうか。
 
 しかし、日本の選手は感情を抑え、平常心でいることをよしと考えるせいか、よくも悪くも常に淡々とプレーしている(ように見える)。挙句、時に抑え切れなくなるほど感情の起伏が大きくなると、ガクッとパフォーマンスが低下してしまうのだ。
 
 要するに、試合の重要度を理解していれば当然起こりうる緊張感や気持ちの高まりを、プレーの向上につなげることができていないのである。
 
【U-19アジア選手権photo】日本 対 韓国
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