柴崎はリーダーとしての姿も板についてきた。
一方、日本代表では10月のパナマ戦で森保一監督のチームに初めて招集された。それ以降、アジアカップを経て、完全に主力のひとりになった。「ボランチは柴崎を軸に」という構想は、森保監督がロシアW杯でコーチとして帯同した際、柴崎のプレーや人間性を把握し、信頼していたので自然な流れだったのかもしれない。
今回はリーダーとしての姿も板についてきた。
森保監督のサッカーを理解し、どうチームを完成形に導いていくのか。その前提としてリーダーは選手に一目置かれる存在であることが求められるが、コパを戦うチームにおいて多くの攻撃が柴崎経由で進むことを見れば、誰が中心で指揮を揮っているのか容易に理解できる。また試合中における選手への声掛けは頻繁にしているし、試合終了後はいち早くセンターサークルに行き、相手選手と握手を交わすなど、あらゆる面でリーダーとしての自覚を感じることができる。
今大会で気になるのは、柴崎のパートナーだ。チリ戦の中山雄太は失点に絡むなど精彩を欠き、ウルグアイ戦の相棒の板倉滉は攻守に中途半端で森保監督に「もっと前で絡むように」と再三、指示を出されていた。両者とも柴崎がゲームメイクをする中、自分が何をすればいいのか、もうひとつクリアになっていなかったようだ。
今回はリーダーとしての姿も板についてきた。
森保監督のサッカーを理解し、どうチームを完成形に導いていくのか。その前提としてリーダーは選手に一目置かれる存在であることが求められるが、コパを戦うチームにおいて多くの攻撃が柴崎経由で進むことを見れば、誰が中心で指揮を揮っているのか容易に理解できる。また試合中における選手への声掛けは頻繁にしているし、試合終了後はいち早くセンターサークルに行き、相手選手と握手を交わすなど、あらゆる面でリーダーとしての自覚を感じることができる。
今大会で気になるのは、柴崎のパートナーだ。チリ戦の中山雄太は失点に絡むなど精彩を欠き、ウルグアイ戦の相棒の板倉滉は攻守に中途半端で森保監督に「もっと前で絡むように」と再三、指示を出されていた。両者とも柴崎がゲームメイクをする中、自分が何をすればいいのか、もうひとつクリアになっていなかったようだ。
サンプルになるのは昨年10月、埼玉スタジアムで行なわれたウルグアイ戦でボランチを組んでいた遠藤航だ。守備的な要素が強い選手だが、攻撃では「ここぞ」という時に絡む積極性がある。昨年のコスタリカ戦では中島にボールを預けてボックス内に入り込み、そのボールを受けて中央にパスを出し、南野拓実のゴールをアシストした。中盤エリアではデュエルの強さを見せ、ボール狩りやカバーも的確だった。中山も板倉もまだその域には達していないが、そのくらいやらないと試合には出られないということだ。
森保監督が今回、東京五輪世代中心のチームに柴崎を入れているのは、来年の東京五輪でのオーバーエイジ枠を見越しているからだろう。おそらく中島もその候補だろうが、では、柴崎が東京五輪のチームの第1ボランチになった際、パートナーは誰になるのか。
U-20W杯ポーランド大会でベスト16に貢献した伊藤洋輝(名古屋)、齊藤未月(湘南)、そしてトゥーロン国際大会や川崎フロンターレで好プレーを見せている田中碧あたりだろう。田中は技術はもちろん、危険察知能力が高く、カバーリングも的確だ。齊藤は球際に厳しく、デュエルの強さを見せつけてボールを奪取、運動量も多い。サイズはないが、柴崎との相性を一度、試合で見てみたい。
グループリーグ最終戦となるエクアドル戦は、誰が柴崎と組むのか。
中山と板倉にセカンドチャンスを与えるのか、それとも満を持して松本泰志を起用するのか。その選択が楽しみではあるが、勝点3を取るために柴崎はいつも以上に凄みのあるプレーを見せてくれるだろう。その本気度が若い選手に伝播し、チーム全体で表現されれば柴崎が望むさらに厳しい試合(決勝トーナメント)を戦うことが可能になるはずだ。
取材・文●佐藤俊(スポーツライター)