【松本】光明を見出すが不安要素も。スピードスター前田不在の穴を埋めるのは――

カテゴリ:Jリーグ

大枝 令

2019年06月03日

シャドーとして新境地を切り開く

前田不在の穴を埋められるか。シャドーの役割を与えられた永井には大きな期待がかかる。写真:滝川敏之

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 だが、同時に不安要素も少なくない。その中のひとつが、コパ・アメリカで日本代表に初招集された前田大然の不在だ。橋内優也と並んで今季のリーグ戦全試合に先発。ゴール数こそ「1」に留まっているものの、抜群のスピードと無尽蔵のスタミナで大きな存在感を放っていたことは疑いようがない。
 
 これがビッグクラブなら、拘束力のない大会にも若手ひとりくらい泰然と送り出せるかもしれないが、J1残留へ猶予のない地方クラブの松本にとっては死活問題。それでも最終的には本人の成長を願って送り出すことを決めた。
 
 ならばその間、穴を埋めて余りあるだけの新たな力が台頭するのを期待するのみだ。前田が一角を担っていた2シャドーのうち、杉本太郎のように最終ラインの前でボールを受けて“違い“を作れる選手はいる。だがその半面、裏へ抜けて最終ラインを惑わすタイプがいなければ、脅威は半減してしまう。
 
 そこで白羽の矢が立ったのが、永井龍だ。今季はセンターフォワードだけでなく、シャドーとしても新境地を切り開いている。自身も以前、「自分はシャドーができない印象があったけど、逆にペレイラが入ることでシャドーとして生きるなという感触がある。悩んでいるなかでも光というか、上手くいきそうな予感」と口にしていた。
 
 そしてチームとしての課題である得点力についても、「フィニッシュの精度を上げていかないといけない。技術的にも意識的にも、毎日そういうことを意識して決め切らないと試合にも出られないし、サッカー選手として生き残ることもできない」と危機感を募らせる。
 
 次節以降も仙台、横浜戦を挟んでG大阪など、勝点の近いチームとの対戦が続く。約2週間の中断期間をどう活用して次節に向かうのかは、目標とするJ1残留への大きなカギとなるだろう。
 
取材・文●大枝 令(スポーツライター)
 
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