• トップ
  • ニュース一覧
  • コンサドーレは「一皮剥けたかもしれない」。令和初戦の逆転劇が証明したミシャ札幌の確かな前進

コンサドーレは「一皮剥けたかもしれない」。令和初戦の逆転劇が証明したミシャ札幌の確かな前進

カテゴリ:Jリーグ

斉藤宏則

2019年05月08日

指揮官のなりふり構わない姿もまた、選手の心を強く動かしたことだろう

 そうした戦いをするチームメイトたちをGKク・ソンユンは最後尾からこう見ていたという。「みんな落ち着いてボールを持てていた。先制されてからも、負ける気がまったくしなかった。3連敗中にみんなで本気で『どうすれば勝てるのか』を考え、そこで学んだことをしっかり発揮できていたのだと思う」。
 
「焦らなかったから」「落ち着いてボールを持てていたから」。選手の言葉をつないで今季初となる逆転勝利の要因をさも知り得たかのように記すつもりはない。なぜならば、逆転勝利を飾ったり、4連勝を果たしたりするのはそんな簡単な話ではないからだ。4連勝をしたからといって、選手たちが3連敗時の悔しさを忘れ去ることもないだろう。ひとつの勝ちや負けの理由なんて、観ていただけの人間が簡単に説明できるはずがない。
 
 もちろん、選手の言葉のなかに要因は存在しているとは思う。でも、間違ってはいけないのは、それだけで結果がついてくるほど簡単な世界ではないということ。リーグ戦3連敗中に迎えたルヴァンカップで、通常ならばシビアにターンオーバーを敢行していたであろうペトロヴィッチ監督が複数人の主力をピッチに送り込んだ。そして指揮官自らも「悪い流れを変えるために」と、いつも試合時に着ていたスーツを脱ぎ、ジャージ姿で指揮を執った。なんとしてもチームを勝たせたい。そうした指揮官のなりふり構わない姿もまた、選手の心を強く動かしたことだろう。いろんな気持ちと行動の積み重ねがあってこそ。何かひとつコレ、というものではない。
 

 勝てないから監督を解任する。試合内容が良くないから補強をする。それが間違ったことだとは少しも思わない。結果が求められるプロの世界ではある種、当然のことだろう。しかし、チームの力を信じ、我慢強く努力を続けることでも成績が上向き、課題を改善できることを札幌は神戸戦で証明してみせた。そうした試合を3万人超のファン、サポーターが目にしたことの価値もまた、簡単に言葉では記せないほどに大きいだろう。
 
取材・文●斉藤宏則(スポーツライター)

【札幌2-1神戸PHOTO】進藤のバイシクルに鈴木武蔵の豪快ヘッド!札幌J1初の4連勝!!
【関連記事】
令和最初の1位は札幌DFの鮮やか過ぎるバイシクルショット!! Jリーグ週間トップ10ゴールを発表!
ミシャスタイルの"土台"は技術ではなくハードワーク。3連敗からの2連勝で明らかになった札幌の実情
番記者が選ぶ、平成の北海道コンサドーレ札幌ベスト11! 外せないのはエメルソンとフッキ。現社長もメンバー入り
【セルジオ越後】平成振り返りの番組でサッカー低迷の理由が明らかに…。令和の課題は人気回復だ
02年W杯の韓国vsイタリア戦での「誤審」を認めたモレノ主審、「副審のせい」「イタリアは臆病」と言いたい放題!トッティの退場については…

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ