イニエスタのパス成功率は過去最低だった
「最初は飛び込んでうまくやられたんですけど、少しずつ距離感を掴んできて修正できた。全部が全部やられる感覚はなかったです。もちろんやられる場面もありましたけど、いかにクリーンに取れるかは意識していたので、そういう意味では取れる回数も多かったので、良かったです」
終盤に決定機を作られ1失点を喫したものの、それまでの田中の奮闘がなければ中盤の主導権を握られ、チームは流れを明け渡してたかもしれない。データサイト『Opta』によれば、イニエスタが川崎戦で記録したパス成功率は79パーセント。これは来日後にフル出場した試合で、もっとも低い数値で、いかに苦戦させていたかが窺える。
次第にイニエスタは田中から距離を空けてポジショニングを取るようになったのは印象的だった。
「最後のほうは嫌がって僕のところから離れていきましたね。そこは良かったです。自信にもなりました」
充実した90分間は田中にとって、またひとつ大きく成長する糧となっただろう。試合後に「すごく楽しかった」と振り返る表情は、あどけなさを残しつつも、どこか逞しさを感じさせた。
終盤に決定機を作られ1失点を喫したものの、それまでの田中の奮闘がなければ中盤の主導権を握られ、チームは流れを明け渡してたかもしれない。データサイト『Opta』によれば、イニエスタが川崎戦で記録したパス成功率は79パーセント。これは来日後にフル出場した試合で、もっとも低い数値で、いかに苦戦させていたかが窺える。
次第にイニエスタは田中から距離を空けてポジショニングを取るようになったのは印象的だった。
「最後のほうは嫌がって僕のところから離れていきましたね。そこは良かったです。自信にもなりました」
充実した90分間は田中にとって、またひとつ大きく成長する糧となっただろう。試合後に「すごく楽しかった」と振り返る表情は、あどけなさを残しつつも、どこか逞しさを感じさせた。
それでも田中に満足感はない。
「今日はそこだけに固執していた部分もあったので、他のところから縦パスを入れられることが多かった。イニエスタという存在が大きい分、そうなってしまうのはしょうがないですけど、全体の守備も含めてもう少しやれれば良かったかな。
あとは奪った後。見えているけど通せなかったり、技術のところでミスがあったりしたので、そこをいかに通して3点目を取るか。攻撃の質に関しては、今日はまだまだだったかなと思います」
そうやって反省を口にするのだから、恐れ入る。急成長を遂げ、20歳にしてチャンピオンチームの川崎で出番を得ているのも納得だ。
昨季リーグ戦は4試合の出場にとどまったものの、プロ3年目の今季は、3節の緊急登板以降(先発予定の大島が左足に違和感を覚えて欠場となり、急きょ出番を得る)、存在感を発揮している。川崎に現われた超新星がブレイクする時は、近いかもしれない。
取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
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