今までとは異なる環境であっても、チームメイトの力を借りながらも積極的に輪に飛び込んでいける能力。これは中井の武器だと言えるだろう。
 
　日本ではサイドハーフなどを務めていた。だが、スペインではインサイドハーフに転向。このコンバートに対応できたのも、そうした彼のメンタリティがプラスに働いたと言えるかもしれない。
 
　ララ氏は約１年ぶりに見た中井の姿に目を細めており、「ものすごくアスリートとして成長していると思います。周りのレベルも高い中で、彼は溶け込んでやっている」と太鼓判。実際に仲間たちとも上手くやっている様子が見て取れ、今大会の２試合目ではキャプテンも任されていた。６年という月日を掛け、中井は自らの立ち位置を異国の地で確立した何よりの証だろう。
 
　フィジカル面は発展途上で、プレー面でも運動量を含めて課題は多い。それでもホセ氏は、彼のキャリアが輝かしいものになると予感している。

「未来は見えるものではないが、レアル・マドリーの指導によって彼はまだまだ伸びていく」

　来年以降、一回り大きくなった“ピピ”に会えるのを心待ちにしている。
 
取材・文●松尾祐希（サッカーダイジェストWeb編集部）

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