吉田麻也の「いま」 前向きに挑むレギュラー奪還への一意専心

カテゴリ:ワールド

松澤浩三

2014年10月01日

「安定したパフォーマンスを見せること。課題は集中力」

現実を受け入れ、吉田はひた向きに「レギュラー奪還」に挑んでいる。 (C) Getty Images

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 そんな苦闘を続けた昨シーズンの中盤あたりからだ。吉田の言動に変化が見られるようになったのは。
 
 レギュラーを外されてしばらくは、出場できない理由が分からず、戸惑い、苦々しく感じているようだった。それがいまは、現実を受け入れ、「レギュラー奪還」というただひとつの目標に向かって邁進しているように映る。
 
 思い出されるのは昨年の12月26日、「ボクシングデー」のカーディフ戦だ。体調を崩したロブレンに代わって先発出場した吉田は、試合後、悩める胸の内を吐露した。
 
「(3週間前に先発した)アストン・ビラ戦は入れ込みすぎだったので(苦笑)。それを手本にして……、それを糧に、今回はリラックスした感じで臨むよう心掛けた。うまくいっていない時には、あんまり空回りしないようにしたほうがいいかな」
 そこには自然体の吉田麻也がいた。
 
 そして、自分の置かれた立場を理解し、定位置奪還に燃える前向きな姿勢が、いまでははっきり見て取れる。今シーズンのプレミア2節WBA戦の試合後、吉田は次のように語っている。
 
「昨年は全然出られなかった。ああいう悲しい思いはしたくない。あれはあれでよかったけど……。やっぱり、より多くの試合に出たい。このチームでレギュラーで掴んで、チーム内からもチーム外からも認められるようなポジションを確立したい」
 
 この時はアルデルワイレルドの加入前で、吉田は開幕から2試合続けて先発でピッチに立っていた。その後、ベルギー代表DFが加わり、吉田は序列を下げるのだが、それでも前向きだ。怪我で欠場したアルデルワイレルドに代わって先発した、前述のスウォンジー戦後にも、こう語った。
 
「昨年と同じにならないように、自分でも意識してプレシーズンからやっている。4人の中での競争はあるが、結局ジタバタしても始まらない。それに打ち勝っていくことだけに集中して、というよりやっぱり自分が良いパフォーマンスをしていくことが大切。彼らと直接対決することはない。まず安定したパフォーマンス。個人的な課題は集中力」
 
 レギュラー奪還は決して簡単ではないだろう。それでも、吉田は挑む。
 
「プロなので、結局、努力が実ったと認められるのは結果を出した時。結果を出すことがすべて」
 覚悟を決めて、前向きに――。
 
取材・文:松澤浩三
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