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“怪童”エムバペに真っ向勝負を挑んだ昌子源へのフランス・メディアの評価は?【現地発】

カテゴリ:海外日本人

結城麻里

2019年04月01日

フランス全土が注目する試合でアピールに成功。

ミスが全くなかったわけではないが、丁寧なビルドアップで攻撃にも関与した昌子。セットプレーで存在感を示せれば、なお良かったが……。 (C) Getty Images

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 そんななか、昌子はまさかのミスを犯してしまう。61分、目の前のエムバペをあざけるかのようなパスを出した後、リターンを受け直した日本代表DFはボールを左に展開しようとしてミスをしたのだ。これには、「オー、何という!」の実況の声が。味方のフォローにより難は逃れたが、チームを困難に陥れるピンチにもなりかねないシーンだった。

 昌子を中心にしたトゥールーズ守備陣に苦戦したエムバペだったが、それで沈黙するような器ではなかった。

 55分に左サイドからスピーディーなドリブル突破を仕掛けると昌子はあっさりと抜き去ると、その4分後にはエリア中央で大胆なオーバーヘッドを炸裂。その存在感を少しずつ高めると、74分に大仕事をやってのける。
 
 右サイドを攻め上がったティロ・ケーラーからのクロスをエリア中央で受けたエムバペは、異様なエグゼキュション・スピード(フィニッシュまでの速度)で、あっという間にトゥールーズのゴールを射抜いたのだ。

 右足のインサイドでトラップをした1秒後にはシュートを放っており、これにはマーカーの昌子もただ見守るしかなく、文字通りの脱帽の決勝弾だった。

 試合後の『Canal+』の特別番組でも、「ちょっと信じられないスピードでした。ミッドフィルダーもディフェンダーも、何もできないスピードでしたね」とエムバペに賛辞が送られた。一方で、失点に瓦解せずに冷静に立て直した昌子も、「エムバペをうまく抑え込んでいた」(canal+)と称えられた。

 パリSGとの試合はフランス全土が注目する一戦であり、中継も日曜夜のゴールデンタイムだ。そんな一戦で、フランス・サッカー界が期待する“怪童”エムバペに果敢にデュエルを挑み、屈しなかった昌子の姿は、多くのフランス人たちに「サムライがここにも?」と思わせたに違いない。

 結果的にエムバペにゴールを許したことを思えば、初対戦は「敗北」だったかもしれない。だが、その差は僅差だった。

文●結城 麻里
 
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