【柏】工藤壮人 インタビュー「頭は冷静に、心は熱く」

カテゴリ:Jリーグ

小田智史(サッカーダイジェスト)

2014年09月30日

「代表への想いを溜め込んでプレーできれば、自ずとその先は見えてくる」

26節終了時で7得点は、やや物足りない数字。終盤戦の巻き返しも、この男のゴールにかかっている。(C) SOCCER DIEGST

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――新生日本代表についても訊かせてください。工藤選手の目に4-3-3システムはどう映りましたか?
「個人的には、非常にバランスが取れたシステムだなと。2試合を見た限り、奪った後に縦に速く攻めたり、多少アバウトでもCFに蹴り込んでそのセカンドボールを狙う形を求めている印象です。実際に参加していないので詳しい状況は分からないですけど、4-3-3はアンカーがキーになると思います。2CBの間に入ってSBに高い位置を取らせるのか、ボールサイドに寄って数的優位を作るのか、SBが高い位置を取った時に敢えてその下に入るのか、アンカーがどこに顔を出すかで様々な攻撃パターンができる。賢くボールを持てる選手が入れば、全体のバランスがいい分ボールは回りますし」
 
――4-3-3でプレーするとすれば、どこで勝負したいですか?
「CFで勝負したい思いはありますけど、レイソルでの状況を考えると、やはり右のワイドですかね。ザッケローニ監督の時も使われたのは右のワイドでしたし、今自分が使われているポジションでしっかりと結果を残し続けることで、その先に『CFで使ってみよう』とか、新たな考えが生まれてくると捉えています」
 
――ワイドでのプレーイメージは?
「敢えて外に開くことでピッチをより広く使えますし、インサイドハーフ2枚を生かすためのスペースを作る狙いもあります。あとは、縦に抜けたり、CFのサポートにタイミング良く入ったり、CFがサイドに流れた際には空いたスペースを埋めるようにインサイドに入ったり、他の選手に合わせて動く感じですかね」
 
――工藤選手は柏のユース時代に4-3-3を経験しているそうですね。
「はい、ほぼ同じシステムです。当時はCFでのプレーでしたが、サイドで2対1を作る際、ワイドの選手がどうインサイドハーフからボールを受けてSBのオーバーラップを促すか、相手のCBとSBの間に上手く位置を取りながら受けてどうSBを生かすか、を意識していました」
 
――工藤選手はアギーレ監督が求める「守備」「走る」「戦う」という要素を、高水準で備えています。
「攻守におけるハードワークは、レイソルでベースができているのかな、と。90分間足を攣らずに走り切る部分、そのうえでなにを出せるかというところはやれる自信はあります」
 
――攻守の切り替えに関してもレイソルと通ずるところがあるのでは?
「『攻守の切り替え』をひとつのワードで括ると、守備も攻撃も頑張ってやるという一般的なイメージでは、無駄走りになってしまいかねない。僕としては守備をやりながらも、SBや後ろの選手に上手くマークを受け渡して、いかに自分が前に攻め残れるか、そのタイミングに頭を使いながらプレーしています。
 捉え方によっては守備をしてないと見られるかもしれないですけど、敢えて攻め残ることも相手との駆け引きになるんですよね。それが相手の攻撃を遅らせたり、SBの攻め上がりを防いだり、ボランチやCBが僕をケアして他のチームメイトが空いたり。僕のなかでは、また違った守備の理論がある。同じ切り替えでも、『質』にこだわっています」
 
――すべてのJリーガーにチャンスがある環境はやりがいがありますね。
「監督が観に来た試合でインパクトを残せれば、チャンスはあるという雰囲気が今のJリーグにはあります。これまでの実績は関係なく、選ばれた者勝ちだと思うので、まずは1回でも呼んでもらえるように、今与えられている状況でしっかりやるべきことをやるのが先決だと思います」
 
――監督が視察に来た試合で結果を出すという点では、工藤選手も甲府戦でしっかりゴールを決めています。
「どんな形であれ、監督の前で点を取れれば目に留まるはずだし、注目もされる。特に僕は個で打開してゴールを取るのではなく、周りに生かされながらプレーする選手だと思っているので、周りの選手に感謝しながら一戦一戦を大事にしたいです」
 
――代表は10月にジャマイカ、そしてブラジルとの試合が控えています。
「代表への想いは常に持っているし、選ばれたらゴールを取れる自信もあります。ただそれを表に出すんじゃなく、自分の中にしっかりと溜め込んでプレーで表現できれば、自ずとその先は見えてくる。自分のスタンスは変えず、精一杯やるだけです」
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