【日本代表】“新旧10番”対決。香川真司と中島翔哉、より輝きを放ったのは――

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2019年03月23日

最後まで左サイドを“譲らなかった”

「番号はただの番号」の言葉が物語るように、8番になっても中島の存在感は変わらなかった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 相手ゴール前で香川からの横パスを中島が受ける。香川はそのままエリア内に侵入すると、そこに中島は正確な縦パスを付ける。同じように、堂安との交代で途中出場した乾貴士にも、自分の前方にその姿を捉えればパスを供給する場面があった。
 
 ロシアの地で輝きを放った“先輩”たちに気を遣っているのか。しばらくはそんな風に見えるプレーぶりだったが、決してそんなことはなかった。
 
 83分、柴崎岳からのサイドチェンジを左サイドで収めて、ゆっくりとカットイン。エリア内では香川がパスを受けられる状態にあったが、中島はシュートを選択。強烈な一撃はバーに弾かれて決め切れなかったが、決定的なシーンでもあった。
 
 それ以外にも、オフサイドの判定となったが鎌田大地への惜しいスルーパスを通すなど、中島はいくつもの好機を演出した前半と同様、ハイパフォーマンスを続ける。香川も限られたプレータイムのなかで、積極的にプレーに関与して、テンポ良く、効果的なパスを捌いていた。ただ、中島ほどのインパクトではなかった。
 
 加えて、特筆すべきは中島のポジションだ。先述したとおり、後半途中から乾が途中出場する。30歳の実績十分なアタッカーは、所属するアラベスでは右サイドを主戦場に活躍を見せているが、コロンビア戦の前には次のようにコメントしていた。
 
「(右サイドは)これまでほとんどやったことがなかったポジションで新鮮ですけど、チーム事情でそうなっているだけで、僕は右サイドの選手じゃないんで」
 
 左サイドには強いこだわりがある。そんな乾が入ってきても、中島は“譲らなかった”。森保ジャパンでの自分の定位置はここ、誰にも渡さないとばかりに、左サイドで最後までプレーし続けた。
 
「翔哉のサイドからの攻撃は何回もあったと思うし、そこはひとつの攻撃の起点になっていたと思います」(南野)
 
 香川だけでなく、乾といった歴戦のタレントたちと一緒にプレーするなかでも、より強く印象付けられたのは、“8番”の圧倒的な存在感だった。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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