【G大阪】開幕戦で見せた「諸刃の剣」。ツネ&ヤットはいかなる打開策を見出したのか

カテゴリ:Jリーグ

志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

2019年02月26日

”アグレッシブ”で泥沼にハマるリスクも…

先制ゴールを挙げた小野瀬(8番)、前線でのチェイシングが光ったファン・ウィジョ(16番)。ともに上々の出来だった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 このハイプレスと縦に速い攻撃はかなりアグレッシブで、今後に期待を抱かせた。「今季のガンバはこう戦うんだ!」と、のっけからサポーターに誇示した感さえある。実際、宮本恒靖監督も試合の狙いを次のように話していた。
 
「マリノスの独特なボールの動かし方に対して、できるだけ高い位置でボールを奪おうとしました。1点目はその形が上手くはまったと思います。あとは、ボールを奪ったら早く攻めることが、ひとつの狙いとしてありました」
 
 ただ、ハイプレスには徐々に歪みが生まれ、縦に速い攻撃はCBにカットされるか2トップがオフサイドにかかるようになり、どちらも狙いが裏目に転じていった。能動的なアクションスタイルが機能しなくなると、一気にバランスが崩れる。諸刃の剣になりかねないことが、開幕戦で明らかになったのだ。対戦相手に対策を練られ、同じような戦いを繰り返せば、勝点を落とし続ける泥沼にハマりかねない。

 
 もちろん、そんなリスクは百も承知。指揮官はとりわけ攻撃面に関して、横浜戦の反省と今後の修正をこう述べた。
 
「試合前からゆっくり攻めるところと、速く攻めるところの使い分けを伝えていましたけど、ゆっくり攻めるべきところで、速く攻めてしまってボールを失ってしまった。それが今日の試合の反省点。今年は立ち上がりから、速く攻めれるときは速く攻めようと話しているなかで、そこがみんなのなかで共通したものが、まだないのかなと思います」
 
 鍵となるのは速攻と遅攻の使い分け。ボランチでゲームメイクする遠藤は、横浜戦を振り返りながらそのコツをこう説明した。
 
「苦し紛れのロングボールが多かったので、意図した部分ではないと思います。裏にはスペースがありましたけど、オフサイドになる回数も多かった。そこはタイミングの問題だと思いますし、裏に出す雰囲気を出して蹴ったら、相手にとっては分かりやすいと思うので、どこか2、3人が絡みながら裏を狙うことが必要だと思う」
 
 カウンターもポゼッションもできる多芸への道は、そう簡単にはいかないだろう。チャレンジの代償として、序盤戦は苦しむかもしれない。それでも、Jリーグの覇権を奪還するためには必要なチャレンジであり、上手くいけば、昨季に成し遂げた9連勝以上の快進撃を見せられる可能性もある。

 大きな期待を込めながら、今後の戦いぶりを見守っていきたい。
 
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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