アジア王者撃破の舞台裏――6年ぶりのJ1で、大分は敵地カシマでいかに戦ったのか?

カテゴリ:Jリーグ

柚野真也

2019年02月24日

2トップにすることで相手CBと対峙する状況を創出。その理由は?

後半途中からオナイウを投入して2トップを採用した大分。流れを引き寄せ、勝ち越し点につなげた。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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「中盤の攻防で管理したかった」と伊藤に代え、オナイウを投入。中盤を3枚にしてセカンドボールの回収に人数を割いた。また、2トップにすることで相手CBと対峙する状況を作った。この試合で判断ミスの多かった相手CBを狙ったのは明らかで、2点目はGKのロングフィードからオナイウがCBに身体を当てて入れ替わったところで勝負あり。2対2としてアウトサイドから見事なラストパスを送り、藤本がこの日、2点目となるゴールで加点した。
 
 鹿島相手にアウェーで勝点3を取ったこと、攻撃的なスタイルを貫き通せたことは、間違いなく今後の自信になる。簡単に失点したセットプレー対策は急務であり、「34分の1試合が終わっただけ」と片野坂監督は勝利の余韻に浸ることはなかったが、「J2では感じたことのないプレッシャーのなかで選手がチャレンジしてくれた。守備でも集中してタフに戦ってくれた」と語るように、大分にとって収穫の多い開幕戦となった。J3、J2での戦いを経て、大分には確固たる専従的な土台が培われてきている。
 
取材・文●柚野真也(スポーツライター)
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