冨安健洋の恐るべき安定感と付加価値。CKからのゴールは洞察力の賜物だ

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2019年01月23日

正直に言えば、冨安がこの大会で“やらかすこと”は、仕方がないと思っていた

サウジ戦で決勝点。巧みにマークを外して一発目のCKで仕留めた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 柴崎岳がコーナーキックを蹴った。冨安はニアサイドへ予備動作で相手を釣り出し、鋭くファーポスト側へステップ。相手のマークを外すことに集中した動き方だ。おそらく、相手の守備をゾーン+マンツーマンと勘違いしていれば、この動き方にはならなかった。カタールのFWアリのように、狙い所を工夫したかもしれない。
 
 コーナーキックは1本目が最大のチャンス。守備側としては、相手の攻め方がわからず、なおかつ真横からクロスが入ってくるという、インプレーではあり得ない状況。慣れていないうちに、仕掛けるのが良い。ましてこの試合、サウジアラビアは守備戦術を変えていた。それを見切り、1本目から見事に仕掛けた冨安健洋。素晴らしかった。
 
 速く、高く、足下の技術も決して悪くない。さらに眼も持っているセンターバック。3バックでも、4バックでも、ボランチでも(とりあえずは)できる。

 正直に言えば、8年前の吉田麻也と重ね合わせ、冨安がこの大会で“やらかすこと”は、仕方がないと思っていた。将来を見据えて、出発点にするべきだろうと。ところが、どうだ。20才でこの落ち着きと安定感。これでもかと付加価値。今後のキャリアが楽しみだ。
 
文●清水英斗(サッカーライター)
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