「ずっとテレビでしか見たことがなかった相手」であった流経大柏と対戦して思ったことは、「セットプレーの時の相手の５番（関川郁万／来季鹿島入団内定）が強かったです。来ると分かっていてもなかなか跳ね返せませんでした。自分もセンターバックなので見習いたいです」とJリーグ加入内定DFの高さと強さに学ぶことは大きかったという。

　田近とコンビを組むDF松野真士（２年）、GK山口雄也（２年）のゴール前を固める３人は来年もチームの中核を担う。
「３年生にここまで連れてきてもらいましたが、この結果を越さないといけません。今日負けたのは悔しいので、次回大会はさらに勝つつもりでやります」
田近はそう意気込む。

「今の自分たちは『相手に対応している』という感じですが、自分たちが威圧して『相手FWに何もさせない』ようにしないといけない。まだチームを引っ張る存在になれていないので、2019年は自分も含めた３人でチームを引っ張っていきたいですね」

　相手の攻撃に対してのリアクションではなく、自分たちが主導権を握り相手FWを威圧できる守備をして、チームを牽引する存在になりたいという目標を語った。

　これまでは１試合で終わっていた全国大会だったが、４試合、しかも強豪相手の試合を経験することができた秋田商。「苦しくなる時間は多かったのですが、良い経験になりました」という田近。新チームではチームを引っ張る存在になり、選手権で今大会以上の成績を残すことを目指し、新たな挑戦が始まる。

取材・文●小林健志（フリーライター）

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