【選手権】これは「奇跡」ではない!秋商、32大会ぶりの8強を実現した地道な努力の歩み

カテゴリ:高校・ユース・その他

小林健志

2019年01月03日

全国で勝ちたいという選手が集まり、練習環境も大幅に向上。

PK戦を制し、喜びを爆発させる秋商の選手たち。32大会ぶりの8強入りを決めた。写真:田中研治

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 かつては全国大会の独特の雰囲気に緊張し、本来の力を出せないこともあったが、集まってきた選手たちもクラブ出身選手が多く「全国大会で勝つ」ことを強く意識していた。同点ゴールをアシストした長谷川は、ブラウブリッツ秋田U-15で日本クラブユースサッカー選手権(U-15)大会に出場。その時は3戦全敗。
「全国で勝つために秋商に来たので、その時の目標を達成できましたが、もっと上を目指したいですね」と語る長谷川は、全国大会で負ける悔しさを中学時代に感じていた。
 
 また、同点ゴールを挙げた山本はモンテディオ山形ジュニアユース村山出身。
「秋田からセレクションを受けに行き入ったのですが、中3の時に怪我があってユースの練習会にあまり出られずユース昇格できませんでした。そして高円宮杯ではモンテディオ山形ジュニアユース庄内に負けて全国大会に出られませんでした。秋田商は強豪なので、そこで全国大会に出たいと思っていました」
 
 山本は全国大会に出られなかった悔しさをバネに、秋田商でレギュラーを獲得し、大舞台で結果を残した。全国大会に実際に出た選手や、あと一歩で全国大会という想いをすでに中学時代に経験している選手が増えたことも大きかった。
「鈍感になることが大事で、あまりすごい舞台だと感じずに、純粋にサッカーを楽しむ、一生懸命やる気持ちになれていました。必要以上に意識するとどうしても力が入ってしまうので、『楽しむ』に近い気持ちで取り組んでくれました」と指揮官が語るように、選手たちは落ち着いて試合に臨んだ。
 
 サッカーの質を上げ、全国大会で勝ちたいという選手が集まったことに加え、一昨年秋に人工芝グラウンドを完成させ、練習環境は大幅に向上。そして昨年、6年ぶりに復帰したプリンスリーグ東北は6位に終わって残留。この1年間、尚志やベガルタ仙台ユース、モンテディオ山形ユースなど東北の強豪と試合を重ねたことも今回の快挙につながった。
 
「秋田のチームで頑張れば全国に通用すると示したかったです。一生懸命やった結果、それを伝えることができました」と穏やかな笑みを浮かべながら取材に応じた小林監督の表情は充実感に満ちていた。今回のベスト8は、決して「奇跡」ではなく、地道な努力の積み重ねによるものである。
 
取材・文●小林健志(フリーライター)
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