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史上最弱と言われた地方クラブはなぜ高円宮杯初出場で準優勝を掴めたのか? 金沢U-15が全国で掴んだ手応えと課題

カテゴリ:高校・ユース・その他

竹中玲央奈

2019年01月02日

相手よりも「頭良く」プレーする

今大会でチームトップの4得点を挙げた森田。決勝で敗れた悔しさは残るが、今大会の快進撃を誇らしく語った。写真:竹中玲央奈

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「深川みたいに自分たちはスピードとかパワーとかに長けているチームではないので。相手よりも頭で上回ろうと。上(空中戦)で勝てないので、下でというか、相手よりも頭良くプレーして倒したい。そこが自分たちのサッカーだと思っています」
 
 準決勝の浦和戦で貴重な同点ゴールのアシストをした土居海斗はこう金沢のサッカーを形容したが、何もこのサッカーだけがこの準優勝に繋がったわけではないとも語る。
 
「僕たちは入団当初の時にあまり結果を出せていなくて。『弱い代だ』という声もあったし『史上最弱』ということも言われていた。そこから悔しさが生まれて、なんとかして見返してやろうと思っていました。その中でいろいろな歴史を塗り替えることができたので、やってきたことは間違いではなかったです」
 
 特定のグラウンドを持たず、日々トレーニング場を転々としながら地道に力をつけてきた。そうした地方都市のクラブがここまで勝ち上がったことは、賛辞を送るに値する。
 
「全国に名前は知られていないと思うけど、この大会で自分たちが全国にツエーゲン金沢という名前を売り出せた。この下の学年もこれから頑張ってほしいなと思います」チームトップの4得点を挙げた森田春樹は、悔しさがある中でもこの結果を誇らしく語る。
 
 しかし、少々厳しい言い方をすればクラブとしてはこの結果を次につなげなければ意味がない。
 

FC東京U-15深川の10番を背負う安田は石川県出身。今後はこうした逸材を確保していきたい。写真:竹中玲央奈

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「まだまだクラブとしても小さいし、力もないクラブなので。ここがスタート地点ということで、次の学年の子たちが上を目指してくれれば良いかなと」
 
 寺中監督がこう語るようにクラブの規模や力はまだまだ発展途上にある。決勝の対戦相手である東京U-15深川で10番を背負った安田虎士朗は石川県出身であり、金沢が欲していた選手だった。しかし「彼が(東京入りを)選択するのはしょうがない」(寺中監督)と手を引かざるを得なかった現実がある。
 
 こういった選手たちを逃さないようにするためにも、U-18やトップの競技力向上ならびに環境整備といった面が必要となってくる。こうった現実と真剣に向き合う機会ができたという意味でも、今回の準優勝という結果はクラブにとって大きなターニングポイントになるかもしれない。
 
取材・文●竹中玲央奈(フリーライター)
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