昌子源のフランス移籍の舞台裏――小笠原満男の言葉に背中を押されて決断

カテゴリ:Jリーグ

一色伸裕

2018年12月31日

大迫は「お前なら大丈夫。チャレンジしてこい」とエール

高卒で加入した鹿島には8シーズン在籍。15年からは伝統の「3番」を託され、近年は腕章を巻く試合も増えるなど、代えの利かない存在だった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 タイトル獲得を誓ったACLも、有言実行で優勝。自らに課した責務を全うし、鹿島側も移籍を容認した。この時期に入ると、ドイツ1部のブレーメンも冬の補強に昌子の名をリストアップ。周辺調査を進めていた。
 
 だが、同クラブは軍資金の問題などから断念。“見本市”となる12月のクラブワールドカップが終了した時点で大きな動きはなく、交渉はトゥールーズに一本化されることとなった。
 
 UAEから帰国して間もない26日、関係者が「29日には動きがある」と明かした。そして代理人が最終調整を行ない、クラブ間も合意。2年半の契約で、相手側は、過去の500万ユーロ(約6億3000万円)、400万ユーロ(約5億400万円)に次ぐトゥールーズ史上3番目の移籍金となる推定約300万ユーロ(約3億8000万円)を提示したと見られている。
 
 移籍表明の2日前。小笠原が自身の現役引退を発表した。この夜、小笠原、内田らに加え、中田浩二、本山雅志、大迫勇也ら鹿島OBとともに食事会を実施。小笠原を労うとともに、昌子の移籍も祝福され、大迫からは「お前なら大丈夫。チャレンジしてこい」とエールを送られた。
 
 迎えた29日の移籍発表。「ジーコさんからは『鹿島の魂を持っていけ』と言われた。一生懸命、この鹿島で習ったことをすべてぶつけたい」と話した昌子。力強さを見せつつも、やはり8年在籍した“鹿島ファミリー”だ。クラブハウスを去る際には「寂しいね」とポツリ。そして顔を上げると、「フランスで待っている。遊びに来てよ」とクラブ関係者、番記者に別れを告げた。
 
 年明けに渡欧し、フィジカルチェックを受けた後に、正式に契約。そして、早ければ1月13日の20節、本拠地でのストラスブール戦が新天地でのデビュー戦となる。
 
取材・文●一色伸裕(産経新聞サンケイスポーツ)
 
【関連記事】
「得点能力もあるDF」「あなたたちは驚くかもしれない」 トゥールーズ加入の昌子源を仏現地紙はどう見た?
「愛がすごい」仏移籍の昌子源に同期の土居聖真がエール! "92年組"の貴重な2ショットを公開
鹿島が昌子源のトゥールーズ移籍合意を発表!! W杯後の去就に関して複雑な胸中も告白
「満男さん!!」仏移籍決定の昌子源が公開した“とんでもなく豪華な同窓会写真”にファン騒然!
「俺みたいなもんは…」そう吐き捨てた小笠原満男。誰よりも輝き続けた“真の黄金”

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト なでしこJに続け!
    4月10日発売
    U-23日本代表
    パリ五輪最終予選
    展望&ガイド
    熾烈なバトルを総力特集
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 世界各国の超逸材を紹介!
    4月18日発売
    母国をさらなる高みに導く
    「新・黄金世代」大研究
    列強国も中小国も
    世界の才能を徹底網羅!!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ