【指揮官コラム】三浦泰年の『情熱地泰』|カリオカが熱く語った「闘う」の真意とは?

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年12月29日

人に厳しくできるかがプロとして大事なところなのだ

ピッチ内外でよき兄貴分だったラモス氏とは、監督として対戦したこともある。写真:佐藤 明

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 ある若い選手が成長していく。
 
 僕の(監督の)厳しさが分かる時が来た。人に厳しくされると成長することに気づいた。厳しさを自分自身に欲する選手になった。
 
 そして練習に臨むために自分がどう準備するべきか? プロとして自分に厳しくなっていった。以前と顔が変わった。練習前も練習後もストイックになっていった。自分に厳しくすることができた。そこに気づいた。これも成長だ。
 
 ここまでは誰でもできる。
 
 ここから、人に厳しくできるかがプロとして大事なところなのだ。プロ集団としてサッカーはチームスポーツ。個人スポーツとの違い。人に厳しくするのは一番難しい。
 
 人は厳しくされることを嫌がるかもしれない。落ち込むかもしれない。避けるかもしれない。厳しくした人間を嫌うかもしれない、悪く言うかもしれない。そして人に厳しくすると言うことは自分が完璧に近くなくてはいけない。
 
 自分に甘く、準備もろくにやらず、サッカーに対しての時間も掛けず、自分ができないのに人に厳しくしてもダメなのだ。
 
 今の選手たちは、一番難しい「人に厳しく」はなかなか共有できない。この厳しさの共有がカリオカの言う「闘う」なのではないだろうか。
 
 いや正直、僕が実行してきた厳しさから僕はそう感じた。
 
 カリオカに会えて、仲間に会えて、カリオカのピッチの中の鉄砲玉だった、若い頃を思い出した(笑)。そして今、サッカー人としての僕はカリオカがいなければ絶対にいなかったであろう。
 
 六本木さえも知らなかったかもしれない……(笑)。
 
 このコラムが今年最後のコラムになる。2018年いろんなことがあった。荒波と強風と火山灰の中を走り抜けた1年。やりきった良い1年だった。
 
 皆さん「良いお年を!」。そして来年も宜しくお願いします。
 
2018年12月28日
三浦泰年
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