「女子バレー勝った?」 躍進湘南を率いる曺監督の強みは常識に捉われない視野

カテゴリ:Jリーグ

熊崎敬

2014年08月25日

「幅広い視野」は湘南というチームの伝統かもしれない。

国外のサッカーのみならず、女子バレーの取り組みにも興味を示す曺監督。貪欲に学ぼうとするその姿勢は、間違いなく湘南躍進の原動力だ。 (C) SOCCER DIGEST

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 業界の常識に捉われない、幅広い視野を持つ――。
 これはいい指導者になるために、欠かせない姿勢だ。ヨーロッパやアメリカでは、種目に限らず多くの指導者が交流し、情報交換を行なっている。オシムやポポヴィッチは、よくバスケットボールや水球の話をしていたし、ドイツでもハンドボールのキーパーの動きを、サッカーのキーパーに生かそうとする試みが行なわれていた。
 
 この点で日本のスポーツ界は、まだまだ遅れている。サッカーはサッカー、野球は野球と乖離し、むしろ互いを敵視している。自戒の念を込めて書けば、サッカーライターにもサッカーしか見ていない人が多い。サッカー業界の課題だろう。
 
 そんな狭い日本のサッカー界の中で、曺監督は幅広い視野を持とうとしている。これは彼だけでなく、湘南というチームの伝統かもしれない。
 前監督の反町康治と現社長の大倉智はかつてバルセロナで暮らしていたし、曺監督もドイツに留学した時期があるからだ。
 彼らは最先端のサッカーを知っているし、日本とは違う社会があるということを、知識としてではなく感覚として知っている。それは目に見えない財産となって、このチームを支えているはずだ。
 
 Jリーグにはいま52人の監督がいるが、費用対効果という点でもっとも結果を出しているのが曺監督と松本山雅の反町監督だ。このふたりがかつて湘南の監督、ヘッドコーチという立場で、同じベンチにいたというのは決して偶然ではない。
 9月6日に実現する湘南と松本の対決は、今季のJリーグでいちばん面白い試合になるかもしれない。
 
取材・文:熊崎敬
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