【セルジオ越後】今季のJ1残留争いはハイレベル? いやいや“どんぐりの背比べ”だよ

カテゴリ:連載・コラム

サッカーダイジェスト編集部

2018年12月11日

“らしい戦いぶり”で接戦をモノにしたけど…

アントラーズはACLでも横綱相撲をしていたわけではない。まだまだ発展途上だと思う。現状に満足せず、さらに上を目指して、より強い集団になってほしいね。(C)Getty Images

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 ある意味、不安定なチームがリーグを盛り上げたのかもしれないけど、例年にないほど熾烈を極めた残留争いも、今季のトピックのひとつだ。
 
 冒頭で触れたJ1参入プレーオフに回る16位を巡って、最後は勝点41で5チームが並ぶ大混戦。結果的に、得失点差でジュビロが16位になったけど、「実力が拮抗していた」という表現には違和感を覚えるね。
 
 むしろ、「ドングリの背比べ」という感じだ。この現象が優勝争いで起こっていればよかったんだけど、下位でいくら争っていても、レベルが下がっているとしか思えない。

 ちなみに、今さらながら、このプレーオフというシステムもどうなのかと思う。勝ち上がりによってはJ2の6位がJ1に昇格できるけど、これではなんのためにリーグ戦を戦っているのかという疑問もわいてくる。
 
 どうせプレーオフを導入するなら、それこそ今回のように、J1の下位で勝点が並んだチーム同士で、残留争いに決着をつければいいんだ。得失点差は置いといて、あくまでも重視するのは勝点。そのほうが分かりやすいと思うけどね。

 一方、J1で最下位のV・ファーレンは、明らかに戦力的に厳しかったと言わざるを得ない。降格も致し方なしといったところだろう。17位のレイソルは、人事に問題があったような気がする。成績不振で更迭した監督を強化部にスライドさせたけど、普通ではあまり考えられない。
 
 個人的な見解では、現場の士気が下がってもしょうがないと思う。厳しい言い方をすれば、落ちるべくして落ちた、という感じだ。

 明るいニュースのひとつは、アントラーズのACL初制覇か。昨年のレッズに続き、日本勢が2シーズン続けてアジアを制したことになるけど、ただ手放しでは喜べない。
 
 決してアントラーズの優勝に水を差すつもりはないけど、中国や韓国勢に以前のような勢いがないのは事実。それが原因でアジア全体のレベルが下がっている可能性は否定できないよ。

 確かに、今大会のアントラーズは“らしい戦いぶり”で接戦をモノにした。金崎や植田らレギュラー格を移籍で失っても、チーム力を落とさず最終的にタイトルを掴み取った。そこはもちろん評価したい。

 でも、J1では3位に食い込むのがやっと。ACLでも横綱相撲をしていたわけではない。今のアントラーズは発展途上。だから現状に満足せず、さらに上を目指して、より強い集団になってほしいよ。 
 
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