多様な視点を持つ59歳の指揮官が率いる今回のU-19日本代表。
今回のU-19アジア選手権に挑む日本を率いるのは、2002年に磐田をJリーグ王者に導いた経験を持つ鈴木政一監督だ。日本のU-19年代の監督にJリーグで確固たる実績を残した指揮官が就任したのは事実上初めてのことだ(※99年にはA代表兼任でフィリップ・トルシエがU-20日本代表を、01~03年にFC東京を率いた大熊清がU-18~20日本代表を率いている)。
またヤマハ発動機時代からコーチングスタッフを経験し、磐田でも監督だけでなくフロント業務や育成年代の強化に携わるなど、多様な視点を持つ59歳の抜擢には、気鋭の青年監督を登用する傾向にあったこれまでの日本協会の人選とは一線を画す、明らかな変化が見て取れる。
その鈴木監督が、昨年U-18日本代表としてチームを立ち上げて以来、キーワードとして掲げてきたのが「判断力」だ。結果だけでなく、A代表への選手供給という使命も負うこの年代の指導には、プレー判断の向上が不可欠と考えているのだ。
8月14日から17日まで静岡県内で開催されたSBSカップでは、U-19コロンビア代表、U-19韓国代表、静岡ユースと対戦した。力のある3チームとの激突は、本番前の格好の予行演習の場となったが、結果は1勝(PK勝ち)2敗(1PK負け)、内容的にも前途多難を予感させるものだった(※下記に結果)。
とくに、U-19アジア選手権で同グループに入った韓国には、球際やフィジカル面での個の力の差を見せつけられ、2-2に追いつく粘りは見せたもののPK戦で敗れた。2か月後の本番に向けて危機感が募る結果ではあるが、一方でライバルの現状を把握できたことはプラス材料になったとも言える。
また、この大会では南野拓実(C大阪)や松本昌也(大分)、宮原和也(広島)、関根貴大(浦和)といった主力が招集されておらず、本番には上積みが期待できる面もある。ただ、南野に関しては、現在リーグ戦で降格圏に沈むC大阪がこのまま残留争いに巻き込まれれば、クラブが大会参加を快諾するか分からない。
不安材料を探し始めればキリはないが、それでも困難を逞しく乗り越え、長く閉じていた世界への扉を開けなければ、日本サッカーの明るい未来も描けないはずだ。4大会ぶりのU-20ワールドカップ出場へ、U-19日本代表の躍進を期待したい。
SBSカップ/U-19日本代表の結果
8月14日(木)
vs U-19コロンビア代表
●0-1
8月15日(金)
vs 静岡ユース
○1(4PK2)1
8月17日(日)
vs U-19韓国代表
●2(4PK5)2
最終順位
1 U-19コロンビア代表
2 静岡ユース
3 U-19日本代表
4 U-19韓国代表
またヤマハ発動機時代からコーチングスタッフを経験し、磐田でも監督だけでなくフロント業務や育成年代の強化に携わるなど、多様な視点を持つ59歳の抜擢には、気鋭の青年監督を登用する傾向にあったこれまでの日本協会の人選とは一線を画す、明らかな変化が見て取れる。
その鈴木監督が、昨年U-18日本代表としてチームを立ち上げて以来、キーワードとして掲げてきたのが「判断力」だ。結果だけでなく、A代表への選手供給という使命も負うこの年代の指導には、プレー判断の向上が不可欠と考えているのだ。
8月14日から17日まで静岡県内で開催されたSBSカップでは、U-19コロンビア代表、U-19韓国代表、静岡ユースと対戦した。力のある3チームとの激突は、本番前の格好の予行演習の場となったが、結果は1勝(PK勝ち)2敗(1PK負け)、内容的にも前途多難を予感させるものだった(※下記に結果)。
とくに、U-19アジア選手権で同グループに入った韓国には、球際やフィジカル面での個の力の差を見せつけられ、2-2に追いつく粘りは見せたもののPK戦で敗れた。2か月後の本番に向けて危機感が募る結果ではあるが、一方でライバルの現状を把握できたことはプラス材料になったとも言える。
また、この大会では南野拓実(C大阪)や松本昌也(大分)、宮原和也(広島)、関根貴大(浦和)といった主力が招集されておらず、本番には上積みが期待できる面もある。ただ、南野に関しては、現在リーグ戦で降格圏に沈むC大阪がこのまま残留争いに巻き込まれれば、クラブが大会参加を快諾するか分からない。
不安材料を探し始めればキリはないが、それでも困難を逞しく乗り越え、長く閉じていた世界への扉を開けなければ、日本サッカーの明るい未来も描けないはずだ。4大会ぶりのU-20ワールドカップ出場へ、U-19日本代表の躍進を期待したい。
SBSカップ/U-19日本代表の結果
8月14日(木)
vs U-19コロンビア代表
●0-1
8月15日(金)
vs 静岡ユース
○1(4PK2)1
8月17日(日)
vs U-19韓国代表
●2(4PK5)2
最終順位
1 U-19コロンビア代表
2 静岡ユース
3 U-19日本代表
4 U-19韓国代表