継続性のある強化ができなかったことも低迷の要因
J2入りして11年目にして初のJ3降格となったわけだが、直接の原因である今季の成績とは別に、この数年来、長期的なチーム強化ができていなかったことも要因として挙げなければならない。
過去最高順位は高木琢也監督が就任した2010年の7位で、高木監督が2012年までの3年間指揮を執って以降、昨シーズンまでに述べ5人の監督がチームを率いてきた。しかし、そのなかでクラブが掲げるJ1昇格という大目標への青写真に基づき、どういったサッカーをし、どういった強化を進めていくかといったプランにブレない方向性があったわけではなかった。もちろん、2016年に起きた熊本地震による影響があったことも否定できないが、活躍し結果を残した選手は毎年のように上位クラブに引き抜かれるなど、継続性のある強化ができなかったことも低迷の要因だ。
過去最高順位は高木琢也監督が就任した2010年の7位で、高木監督が2012年までの3年間指揮を執って以降、昨シーズンまでに述べ5人の監督がチームを率いてきた。しかし、そのなかでクラブが掲げるJ1昇格という大目標への青写真に基づき、どういったサッカーをし、どういった強化を進めていくかといったプランにブレない方向性があったわけではなかった。もちろん、2016年に起きた熊本地震による影響があったことも否定できないが、活躍し結果を残した選手は毎年のように上位クラブに引き抜かれるなど、継続性のある強化ができなかったことも低迷の要因だ。
J2リーグ戦終了の翌日、クラブから渋谷洋樹監督の来季続投が発表されたのは、そうした過去の反省から、継続性のあるチーム作りが必要だと判断したからであろう。ただ、来季のステージがJ3と決まったことで、すでに発表されている契約満了選手以外にも移籍等でチームを離れる選手が出てくることは避けられない。幸い、大卒の新加入4人が決まっているが、現場としてはまず、限られた強化費の中で十分にJ3を戦える編成を整えることが求められる。その上で、ゲームの内容を追求するのと合わせ、確実に勝点を取っていく、つまり結果にこだわることが、来シーズンの大きなミッションとなる。
また、今季は成績が低迷したこともありホームゲームの平均入場者数が前年より約1300人も減少。J3降格によっても低下が懸念される入場料収入やスポンサー収入を確保する営業面、さらには、試合の前後も含めていかに魅力あるホームゲームを提供できるかといった運営面の改善も課題であろう。
過去の例を見ても、また近年のJ3の展開を見ても、1年でのJ2復帰は容易なことではない。現場、クラブフロントの両方がそれぞれの課題に真剣に向き合い、ひとつずつクリアしてより良い成果につなげていくことが、J2復帰への条件となる。
取材・文●井芹貴志(フリーライター)