昇格の望みを断たれても「目標」を見失わなかった、町田の奮闘は決して色褪せない

カテゴリ:Jリーグ

郡司 聡

2018年11月21日

J1昇格が叶わない現実を突きつけられた町田は、モチベーション低下を懸念されたが…

「ピッチに立って、勝ちに行かないような選手はウチのチームにはいらない」。相馬監督は強い言葉で選手のモチベーションを煽った。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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 9月の下旬にJリーグから付与されたクラブライセンスは、J2ライセンス。たとえ6位以内に入っても、J1昇格が叶わない現実を突きつけられた町田は、周囲からモチベーション低下を懸念されていた。しかし、チームは23節のロアッソ熊本戦で勝利して以降、4位以下に転落することなく、ずっと上位に定着。モチベーション維持の原動力を報道陣から問われた相馬監督は「この試合のピッチに立てば、目の前に勝点3がある。ピッチに立って、勝ちに行かないような選手はウチのチームにはいらない」と一蹴し、終盤戦におけるチームのモチベーションの生命線は、J2制覇に集約されていた。
 
 サイバーエージェントの経営参画による経営体制の強化や、町田の結果次第ではJ1の残留争いにも影響を及ぼすため、Jリーグ界隈における町田の注目度は、12年のJリーグ参入以降、トップクラスだったと言っていい。ただ最終結果は前述の通り、J2におけるクラブ史上最高順位の4位でフィニッシュしている。たしかにJ2制覇こそ達成できなかったが、J2最小クラスの予算規模である町田が、4位という望外な成績を収めたのは、誇らしいことだろう。ベガルタ仙台でJ2優勝を経験している中島はこう言った。
 
「優勝はできませんでしたが、6位以内という目標は達成できましたし、みんなが今年1年間、ここまで必死に目の色を変えてやってきた結果です。この結果には胸を張っても良いのかなと思います」
 
 試合終了直後のホーム・町田市立陸上競技場は、あと1点を奪えずにJ2優勝を逃した無念さから静寂に包まれたが、すぐに万雷の拍手へと切り替わっていた。1万人を越える観衆が詰めかけたファン・サポーターたちのそうしたリアクションが物語るように、今季の奮戦の足跡が、決して色褪せることはない。
 
取材・文●郡司聡(フリーライター)
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