【日本代表 識者コラム】就任会見から読み解くアギーレ新体制の可能性

カテゴリ:日本代表

加部 究

2014年08月12日

常に活性化するための刺激を与えるという点では前任者と好対照。

協会がアギーレ監督に適切な刺激を与えられるか。それが成否のカギではないか。写真中央が大仁会長、左が原技術委員長。 (C) SOCCER DIGEST

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 ただし就任会見の内容をそのまま受け取れば、アギーレ新監督がザッケローニ前監督と同じ轍を踏むことはなさそうだ。
 
 メキシコ代表監督時代に、同国にとっては大スターだったハビエル・エルナンデスを外した経緯を見ても、コンディションの整わない中心選手との心中はなさそうだし、「一国の名誉を背負って責任のあるプレーが求められる」代表チームでは、些細な集中力の欠如が致命傷になる。そういう厳しさを植え付けるには適任に映る。
 
 例えばザッケローニ前監督は、ブラジル大会の約2年前からの強豪とのテストマッチを繰り返しても、遠藤保仁、長谷部誠の2ボランチに固執し続けるなど、なかなか現実に世界との距離感を掴み切れなかった。結局土壇場で迷いが生じ、最も中途半端な形で総決算を迎えてしまったきらいがある。
 
 それに対し、アギーレ監督は「守備をベースに」と語ったが、それは日本代表が世界に出れば「ボールを奪取すること」の重要性が増すという現実を見据えた上での発言だろう。少なくとも硬直を嫌い、常に活性化するための刺激を与えるという点では、前任者とは対照を成す。
 
 逆にザック時代の反省を踏まえれば、成否のカギを握るのは、雇用者である日本協会がアギーレに適切な刺激を与えられるかどうか、なのかもしれない。
 
取材・文:加部究(スポーツライター)

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