チェルシーのチェアマンが語ったサッカー界の10年後。

2003年にチェルシーを買収して以来、熱心な投資で、チームを瞬く間にイングランド屈指の強豪へ押し上げたアブラモビッチ。彼の尽力なしに、今のチェルシーの繁栄はなかった。 (C) Getty Images
また、先にも少し紹介したが、このサミットにはサッカー界から多くのビッグクラブが参加していた。チェルシー、バルサ、インテル、ドルトムント、ベンフィカに至っては、CEO自らが足を運んでいたから驚きである。
「2003年と2008年に起きたようなことは二度と起きない」と説いたのは、チェルシーのチェアマンであるブルース・バックだ。彼は、UEFAに参入する各クラブの財政健全化を図るため、2014年に正式に施行されたファイナンシャルフェアプレー(FFP)によって、サッカー界が変わったという持論を展開した。
2003年と2008年に起きたこととは、プレミアリーグにとっては、まさに革命と言うべき出来事だった。
「2003年と2008年に起きたようなことは二度と起きない」と説いたのは、チェルシーのチェアマンであるブルース・バックだ。彼は、UEFAに参入する各クラブの財政健全化を図るため、2014年に正式に施行されたファイナンシャルフェアプレー(FFP)によって、サッカー界が変わったという持論を展開した。
2003年と2008年に起きたこととは、プレミアリーグにとっては、まさに革命と言うべき出来事だった。
2003年はロシア人実業家のロマン・アブラモビッチがチェルシーを買収した年だ。それまで、ロンドンの単なる一クラブだったチームが、多額の資金を投じられるようになって、選手補強などにより、あらゆる点で世界的な知名度を得るようになった。
そして2008年には、マンチェスター・シティがUAEの投資会社「アブダビ・ユナイテッド・グループ」に買収された。1980年代から続く長きに渡る低迷期にあったチームが、いわゆるオイルマネーによって飛躍的な進化を遂げたことは、もはや説明するまでもないだろう。
バックは、FFPによって世界のトップと言うべきクラブが、今後5年から10年の間に、12クラブくらいに絞り込まれると考えているため、破格の金額で、新しく買収されるようなクラブは出てこないと考えているようだ。
また、興味深かったのは、インテルのCEOアレッサンドロ・アントネッロの言葉だ。彼は、中国企業の投資を受けるようになった過去3年の間に、それまで身内で固められていたクラブが「モチベーションの高いビジネスクラブへと変化した」と語った。
その甲斐もあって今、彼らはCLの舞台に復帰している。その経験が「クラブの資金面だけでなく、ファンにとっても素晴らしいものとなっている」と説明するアントネッロからは、充実ぶりが感じられた。