【ルヴァン杯|戦評】執念、まさに執念。感動さえ覚えた湘南の堅守

カテゴリ:Jリーグ

白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

2018年10月27日

CBの坂がとりわけ素晴らしい働きをした

無失点に抑えた湘南のGK秋元。「今日は3バックを褒めてください」とコメント。写真:田中研治

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 後半の開始直後、攻勢に出たのは横浜だ。ウーゴ・ヴィエイラや仲川、天野を中心に敵陣内へと侵入し、セットプレーなどからチャンスを作ろうとした。だが、効果的な仕掛けや崩しが出来ていたかと言えば、そうではなかった。
 
 粘り強さを発揮したのが湘南の守備陣だ。特に3バックの山根、坂、大野のどっしりと構えたディフェンスは文字通り強固で、その鉄壁ぶりには感動さえ覚えた。1点リードというデリケートな状況でも集中を切らさず、ボールを掻き出す。横浜のウーゴ・ヴィエイラにほとんど仕事をさせなかった坂はとりわけ素晴らしい働きをした。
 
 またボランチの金子も絶妙なポジショニングと鋭い寄せでピンチを未然に防いだ。3バックだけでなく、ボランチを含む中央のブロックが極めて安定していたからこそ耐え凌げたのだろう。
 
 ある程度サイドは攻略されても、最終的にはゴール前に放り込まれたボールを弾き返せばいい。“点を取られなければいい”とある意味サッカーというスポーツの真理を突いた守り方もまた、実にストレートと言えた。
 
 攻撃も守備もストレートだったが、とはいえ決してスマートな勝ち方ではなかった。後半途中からの必死のディフェンスから判断するかぎり、湘南の戦いぶりは「執念、まさに執念」という表現のほうが相応しかった。
 
 シュートを打つ時には打つ。最も危険なゴール前ではシュートを打たせない。加えて、球際の部分で強く行く。この日、サッカーの基本原則を示してくれたのが湘南だった。

 横浜サポーターからすれば、主審の笛に泣かされたという見方もできるかもしれない。ただ、それでも、勝者に相応しかったのは湘南ではなかったか。横浜のアンジェ・ポステコグルー監督のコメント──「我々というより、湘南が素晴らしかった」が、すべてを物語っていた。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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