パトリックの不振がチームの成績に直結
その最大の理由は、エースのパトリックが精彩を欠いたことにある。空中戦では清水のCB・ファン・ソッコとフレイレにほとんど勝てず、得意としているサイドの裏に流れてボールを受ける場面も少ない。彼が恐さを感じさせたのは、55分に左サイドをドリブルで突破してクロスを送った場面ぐらいだった。
データで見ても、たとえば清水の北川航也と前半のボール非保持スプリント回数を比べてみると、パトリックが1回、北川が4回。スプリントとしてカウントされるのは時速24キロ以上で走ったときなので、ボールを引き出すために動き出す際の鋭さ(スピード)を欠いていたことがわかる。
ファン・ソッコも「(パトリックは)爆発的な動きが少なかったし、彼から始まる攻撃も少なくて、以前ほどの恐さは感じなかった」と言う。パトリックにしても稲垣にしても、コンディションが万全ではないように見えたし、知己の地元記者も同様のことを話していた。
データで見ても、たとえば清水の北川航也と前半のボール非保持スプリント回数を比べてみると、パトリックが1回、北川が4回。スプリントとしてカウントされるのは時速24キロ以上で走ったときなので、ボールを引き出すために動き出す際の鋭さ(スピード)を欠いていたことがわかる。
ファン・ソッコも「(パトリックは)爆発的な動きが少なかったし、彼から始まる攻撃も少なくて、以前ほどの恐さは感じなかった」と言う。パトリックにしても稲垣にしても、コンディションが万全ではないように見えたし、知己の地元記者も同様のことを話していた。
だが、ティーラシンが入って(49分~)、柴﨑晃誠がボランチに下がったあたり(56分~)からは攻撃に鋭さが出てきてチャンスも明らかに増えた。ベサルト・ベリーシャ(74分~)もパトリックよりもボールが収まって起点を作り、惜しいヘディングシュートも放った。今回は前半1回、後半3回の決定的なシュートを全てGK六反勇治にファインセーブされたが、2、3点入ってもおかしくないだけのチャンスは作れていた。
30分の工藤壮人のシュートが決まっていれば、どうなっていたかわからない試合だったことも間違いない。よく言う「ひとつきっかけをつかめば……」という言葉が当てはまる状況なのかもしれない。
ただ、清水のキャプテン・竹内涼が興味深いことを言っていたので、最後にそれを紹介しておきたい。
「試合前に並んでいる時とかの相手の様子や雰囲気を見ていると、強いチームからはいつも感じるものがあるんですよ。でも、今回の広島からは感じなかったというか、なんとなく甘い感じがあったので、今日は負けないなと思いました」
そう感じられるようになってきたのは、清水が成長してきた証明でもある。ただ、今の広島が放つオーラが、前半戦の頃とは違ってきていることも否めないようだ。
取材・文●前島芳雄(フリーライター))
30分の工藤壮人のシュートが決まっていれば、どうなっていたかわからない試合だったことも間違いない。よく言う「ひとつきっかけをつかめば……」という言葉が当てはまる状況なのかもしれない。
ただ、清水のキャプテン・竹内涼が興味深いことを言っていたので、最後にそれを紹介しておきたい。
「試合前に並んでいる時とかの相手の様子や雰囲気を見ていると、強いチームからはいつも感じるものがあるんですよ。でも、今回の広島からは感じなかったというか、なんとなく甘い感じがあったので、今日は負けないなと思いました」
そう感じられるようになってきたのは、清水が成長してきた証明でもある。ただ、今の広島が放つオーラが、前半戦の頃とは違ってきていることも否めないようだ。
取材・文●前島芳雄(フリーライター))