吉田の入った最終ラインは、それなりに安定感はあるものの、ミスや連係面の不備が多く、さすがに３失点はいただけない。今回は守備の連係を磨く時間がそれほどなく、三浦弦太とも初めて組むので難しさがあっただろうが、ディフェンスリーダーとしては物足りない出来だった。
 
　長友は何度かオーバーラップを見せるもワールドカップの時ほどの果敢な攻撃シーンを見せられず、中島の勢いを削がないように少し様子を見ている感じだった。そのせいか、コスタリカ戦やパナマ戦で見せた佐々木翔の攻撃的なプレーと比べると、物足りなかった。相手がウルグアイでパナマとはレベルの差はあるものの、大事なことは自分のプレーを見せられるかどうか、である。そういう意味では佐々木のほうが持ち味を発揮していた。
 
　大迫はトップに入り、相変わらず動きの質が高いし、ポストプレーにも安定感がある。ハードワークして前線からボールを追うなど、いつもの彼らしいプレーもみせた。しかし、ゴールはこぼれ球を拾って決めた１点のみ。決定機を何度もフイにする場面もあり、ワールドカップの頃の集中力が欠けている感がする。ブレーメンでは、これまで６試合で１ゴール、スタメンに定着しているわけではない。クラブでの調子が代表にも大きく影響しているように思える。
 

　ロシア・ワールドカップ組の中で一番、心配なのが柴崎だ。
　ウルグアイ戦終了後は、勝利の喜びに浸ることもなく、チームメイトから離れ、ひとり蚊帳の外といった感じでいた。ピッチでもワールドカップ時の輝きをほとんど発することができなかった。堂安が相手に当たりに耐えながら力強いプレーをしているなか、柴崎は簡単に倒され、ボールを失った。縦へのパスも少なく、柴崎と交代で入ってきた青山敏弘が縦パスをビシビシ入れていた姿とは対照的だった。

　ヘタフェでは、開幕戦のレアル・マドリ―戦でフル出場を果たしたものの、それ以降は途中出場が１試合のみ。ここ４試合は試合に出場しておらず、全８試合で２試合出場という状況だ。そのせいか、試合勘が鈍り、コンディションが整っていないのが試合に露骨に出てしまっている。カタール・ワールドカップを目指すチームにあって柴崎は中心となるべき選手のひとりだが、現状が続けばレギュラーはおろか、代表の椅子さえも失いかねない。