「勝って泣くのは初めてです」涙の理由は感じていた重圧の裏返しだろう
14分、仲の良い相棒・荒木遼太郎から絶妙のタイミングで出てきたパスで裏を取り、右足シュート。これはGKに防がれたものの、その跳ね返りが全速で戻ってきたDFに当たってオウンゴールを誘発する。「どんなに泥臭くてもいい」と言っていた男が、待望の先制点をもたらした。
その後の流れは苦しかった。すぐに追い付かれ、一時は沈滞ムードも流れた。ハーフタイムを機に再び攻勢に出たものの、オマーンGKミトハムのファインセーブの連続で日本のゴールは遠い。西川の決定的な右足シュートもGKミトハムに防がれてしまう。なんとも難しい流れで、第3戦の前半までの西川ならば、ムキになってゴールへ突撃し続けたかもしれない。だが、この日の感覚は少し違った。
「オマーンの15番(ラシード)が疲れているなと思ったんで、そこを突いてやろうと思った」と冷静に相手のことを洞察し、得意の左足シュートを狙いやすいピッチ右寄りではなく、左寄りにポジショニングを変えた。そして81分、縦パスを受けて左サイドのスペースへ抜け出すと、そのラシードを1対1でぶっちぎり、左足でクロスボール。これが交代出場のFW唐山翔自にピタリと合って、決勝点が生まれた。
その後の流れは苦しかった。すぐに追い付かれ、一時は沈滞ムードも流れた。ハーフタイムを機に再び攻勢に出たものの、オマーンGKミトハムのファインセーブの連続で日本のゴールは遠い。西川の決定的な右足シュートもGKミトハムに防がれてしまう。なんとも難しい流れで、第3戦の前半までの西川ならば、ムキになってゴールへ突撃し続けたかもしれない。だが、この日の感覚は少し違った。
「オマーンの15番(ラシード)が疲れているなと思ったんで、そこを突いてやろうと思った」と冷静に相手のことを洞察し、得意の左足シュートを狙いやすいピッチ右寄りではなく、左寄りにポジショニングを変えた。そして81分、縦パスを受けて左サイドのスペースへ抜け出すと、そのラシードを1対1でぶっちぎり、左足でクロスボール。これが交代出場のFW唐山翔自にピタリと合って、決勝点が生まれた。
左サイドに飛び出して、自分の得点になる可能性は低い。ただ、あえてゴールから離れるような判断を選べたのは「チームのためにという意識がそういうプレーに繋がったと思う」。
試合終了後、テレビのフラッシュインタビューでは珍しく動揺する様子も見せ、「もう泣きそうになっていて、わやになっちゃいました(笑)。勝って泣くのは初めてです」と笑った。
涙の理由は感じていた重圧の裏返しだろう。「負ければ解散、勝てばワールドカップ。もう天と地の差だったので。これを経験できたのは大きかった」と、フォア・ザ・チームのプレーで勝利の味を噛みしめた西川は、プレーヤーとしての階段をまたひとつ昇ったのかもしれない。
取材・文●川端暁彦(フリーライター)
試合終了後、テレビのフラッシュインタビューでは珍しく動揺する様子も見せ、「もう泣きそうになっていて、わやになっちゃいました(笑)。勝って泣くのは初めてです」と笑った。
涙の理由は感じていた重圧の裏返しだろう。「負ければ解散、勝てばワールドカップ。もう天と地の差だったので。これを経験できたのは大きかった」と、フォア・ザ・チームのプレーで勝利の味を噛みしめた西川は、プレーヤーとしての階段をまたひとつ昇ったのかもしれない。
取材・文●川端暁彦(フリーライター)