目先の勝点を得るだけでなく、クラブとしての評価を高めることが大事
リージョが日本人に合いそうな予感もある。戦術家は大きく2タイプに分類される。ひとつは選手との間に一線を引き、自らの戦術に厳格にこだわるタイプで、もう一方が、基本的な志向はありつつも、選手と同じ目線に立ってコミュニケーションを取り、柔軟にチームを作るタイプだ。
前者がヴァイッド・ハリルホジッチ、アンジェ・ポステコグルー、後者がミハイロ・ペトロヴィッチ、西野朗、森保一などとなる。どちらが日本人に合うかは言うまでもない。前者に率いられると、日本人選手は言われたことをただこなすだけになりがちだが、「サッカーの主役は選手」と語るリージョは、おそらく後者だろう。すぐさま結果を残せるかと問われれば少々疑問ではあるものの、期待値は小さくない。
前者がヴァイッド・ハリルホジッチ、アンジェ・ポステコグルー、後者がミハイロ・ペトロヴィッチ、西野朗、森保一などとなる。どちらが日本人に合うかは言うまでもない。前者に率いられると、日本人選手は言われたことをただこなすだけになりがちだが、「サッカーの主役は選手」と語るリージョは、おそらく後者だろう。すぐさま結果を残せるかと問われれば少々疑問ではあるものの、期待値は小さくない。
今の神戸には派手な話題が多い。お金もかかっているはずだが、最初からレシピが“バルサ”と決まっているので仕方がない。冷蔵庫の中を見ず、刺身があってもカレーを作ると言うのでは、頻繁に食材ロスが起きてしまう。普通に優勝チームを作るのとは比較にならないほど出費はかさむだろう。だが、一度軌道に乗りさえすれば、クラブ運営は効率化され、ロスは少なくなる。できればアンドレス・イニエスタがいるうちに、目鼻を付けたいところだ。
目先の勝点を得るだけでなく、クラブとしての評価を高めることも大事だ。今のペースで人的資源を蓄えていけば、遠からず結果も出る。その時、神戸というクラブの「格」はどう見られているか。オファーを受けている川崎フロンターレの車屋紳太郎など、日本代表クラスが迷わず神戸を選択するケースが増えてくれば、自然と真のビッグクラブに近づける。
文●清水英斗(サッカーライター)
『サッカーダイジェスト』10月11日号(9月27日発売)より転載
目先の勝点を得るだけでなく、クラブとしての評価を高めることも大事だ。今のペースで人的資源を蓄えていけば、遠からず結果も出る。その時、神戸というクラブの「格」はどう見られているか。オファーを受けている川崎フロンターレの車屋紳太郎など、日本代表クラスが迷わず神戸を選択するケースが増えてくれば、自然と真のビッグクラブに近づける。
文●清水英斗(サッカーライター)
『サッカーダイジェスト』10月11日号(9月27日発売)より転載