CLポルト戦で見せたポジティブな姿

リーガ3節を終え、順位表の底にはシャルケとレバークーゼンがともに3連敗で沈んでいる。ここから這い上がり、絶対王者を追うことができるか。写真はホームで0-2の完封負けを喫したヘルタ戦。 (C) Getty Images
それでも、ドメニコ・テデスコ監督は冷静さを失っていない。
連敗スタートとなっても、「時には、さらに前に進むために一歩下がることも必要なんだ」と語り、さらには「こうした状況を最高だとも思う。あと少しネジを回せば、また昨シーズンのように相手に嫌がられたり、リスペクトされるチームにもなれる」と、あくまでも視線は前へと向けられている。
とはいえ、いつまでもズルズルと負け続けたら、浮上することはどんどん困難になる。それだけに、チャンピオンズ・リーグ(CL)のポルト戦は非常に重要な位置づけをされていた。
連敗スタートとなっても、「時には、さらに前に進むために一歩下がることも必要なんだ」と語り、さらには「こうした状況を最高だとも思う。あと少しネジを回せば、また昨シーズンのように相手に嫌がられたり、リスペクトされるチームにもなれる」と、あくまでも視線は前へと向けられている。
とはいえ、いつまでもズルズルと負け続けたら、浮上することはどんどん困難になる。それだけに、チャンピオンズ・リーグ(CL)のポルト戦は非常に重要な位置づけをされていた。
そして、結果はホームで1-1の引き分け。しかし、少なからず今後に希望を持たせる戦い方を見せた。
攻撃時のアイデア不足は、残念ながらこの試合でも散見されたが、それはすぐに解消できるものではない。それよりも、ボールに対するエネルギッシュなアプローチ、足を止めることなく走り続けたところに、変化の兆しを感じさせた。
守備において、いつプレスをかけるのか、かわされた時はどう対応するのか。少しずつ、イメージとプレーがかみ合ってきている。だからこそ、完全にかみ合わせるために走る、という姿勢も見られた。
攻撃時も、カウンターでは何度か良いかたちを作れた。ブレール・エムボロのゴールも、そうした流れから生まれた。
「僕らは今、すごく難しいところにいる。でも、ボルシアMG戦(3節)では良い方向に進んでいたと思うし、今日もすごく良いパフォーマンスを示せた」と、エムボロはポジティブに捉えている。
また、キャプテンのGKラルフ・フェーアマンも、「すごく気持ちが入っていた。リーグでうまくいってなかったから、これは簡単なことではなかったんだ。でも、僕らは良い方向へ向かっていることを示せたはずだ」と、力強く試合を振り返っていた。
リーグでは今週末、バイエルンと対戦する。厳しい試合になるのは間違いない。だが、シャルケにとって相性が悪い対戦相手ではないのも事実だ。特に、下馬評が悪い時ほど、シャルケは底力を発揮する。それがクラブのカラーでもある。ここまで無敗の王者から、勝点を奪い取りたい。
文:中野 吉之伴
【著者プロフィール】
なかの・きちのすけ/1977年7月27日生まれ。秋田県出身。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA−Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2018-19シーズンからは元ブンデスリーガクラブのフライブルガーFCでU16監督を務める。「世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書」(カンゼン)、「ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする」(ナツメ社)執筆。オフシーズンには一時帰国して「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。