ロシアW杯で絶望の淵に立たされたアルゼンチン代表に生まれた「新たなる希望」とは?

カテゴリ:ワールド

チヅル・デ・ガルシア

2018年09月13日

「失われた4年」を活かそうというスカローニの手法とは?

ユベントスで控えに甘んじているディバラは、今回の代表戦でも目立たず。しかし、代行指揮官はチャンスを与えることを示唆している。 (C) Getty Images

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 スカローニの采配で最もはっきりしていたのは、新たなチームを構成するにあたり、これまでの「失われた4年間」を完全に葬るのではなく、拾い上げるべき要素を残し、さらに育成の過程で埋もれかけていた人材を掘り起こす形で、継続の道を築こうというアイデアだった。

 グアテマラ戦とコロンビア戦のために招集された28人のうち、ロシアW杯に出場したメンバーは7人(※当初招集されていたガブリエル・メルカードとエドアルド・サルビオは負傷から出場不可能に)、W杯予備登録メンバーに選ばれながらも最終的に落選した選手が10人だ。

 残りの11人は新顔となったが、そのうち3人はヘラルド・マルティーノがU-23代表監督を兼任していた当時、2016年のリオ五輪のメンバーに選出されている。

 グアテマラ戦では11人もの選手がA代表デビューを果たしたが、2試合のために選ばれた選手の顔ぶれを見れば、スカローニが手当たり次第に新しい風を吹き込ませようとしたわけではないことが見てとれる。

 そのグアテマラ戦では、ロシアW杯で一度も出場機会に恵まれることのなかったジオバンニ・ロ・チェルソが中盤で攻撃の起点となり、メディアから高い評価を得た。

 ロ・チェルソはサンパオリ前監督からも絶賛されていた選手で、W杯直前までは先発メンバー入り確実と考えられていたにもかかわらず、なぜか試合に出ることなく終わってしまった(その理由は誰にもわからないままとなっている……)。

 しかし、この試合でタレント豊富な前線を活かし切れない原因とされる中盤の解決策として、有効な存在であることが証明された。

 続くコロンビア戦でも、際立っていたのは中盤の新顔たちだった。

 引き続き先発起用されたロ・チェルソの影が薄くなるほど見事な連携とアグレッシブな攻めで、チャンスを作ったエセキエル・パラシオスとゴンサロ・マルティネス、そしてアンカーとしてピッチ中央で相手のボールを次々と奪い、攻守のスイッチャーとしての大役を果たしたロドリゴ・バタグリアの献身的なプレーも称賛された。

 中盤では他にも、グアテマラ戦で先発、コロンビア戦では後半途中から交代出場したレアンドロ・パレデスが好プレーを披露。ロ・チェルソ同様、バタグリアもパレデスもサンパオリ前監督から見込まれ、ロシアW杯の予備登録メンバーに選ばれていた選手である。

 彼らは、W杯での出場機会を逃した悔しさを晴らすかのように、スカローニから与えられたチャンスを十分に活かして実力をアピールすることに成功した。
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