おそらくJリーグでCBを続けていたら日本代表のキーマンになるのは難しかった
最終ラインでは表現が難しかったが、コスタリカ戦ではゴールにつながるチャンスの起点となり続けた。前半には小林悠への縦パスが南野の決定機を導いたし、その数分前にもやはり小林にワンタッチでスルーパスを送っている(オフサイド)。後半2点目のアシストをしたシーンでは、懐の深いダブルタッチでひとり剥がすと、そのままゴール前に走り込み、中島のパスを受けている。また技術と視野の確保の水準が高いので、厳しく寄せられてもハイテンポのつなぎに一切ミスがない。空中戦が強くダイナミックな攻撃性を備えたという点では、稲本潤一以来のボランチと言えそうだ。
一方で森保監督の使い方にも期待が滲む。もちろんボランチ歴の浅い遠藤には、寄せの厳しさ、展開の読み、ボールの引き出し方など、課題(伸びしろとも言える)も見える。そこで指揮官は、隣に青山敏弘を配した。遠藤にとって青山は、ライバルであり、超えていかなければいけない格好の見本なのだろう。
一方で森保監督の使い方にも期待が滲む。もちろんボランチ歴の浅い遠藤には、寄せの厳しさ、展開の読み、ボールの引き出し方など、課題(伸びしろとも言える)も見える。そこで指揮官は、隣に青山敏弘を配した。遠藤にとって青山は、ライバルであり、超えていかなければいけない格好の見本なのだろう。
たぶんJリーグでCBを続けていたら、遠藤が日本代表のキーマンになるのは難しかった。しかしシント=トロイデンでボランチとしてプレーするようになり、大化けの兆しも見えた。
前線のタレントは、まだまだこれからワールドカップを戦ったタレントとポジションを争っていくことになる。だが遠藤は、この一戦で替えの利かない存在としての最初の一歩を刻んだのかもしれない。これからの4年間で、パートナーは青山から柴崎、あるいは井手口陽介らに代わっていくかもしれないが、ピッチの中央では6番が無二の存在感を増していく予感がする。
文●加部 究(スポーツライター)
前線のタレントは、まだまだこれからワールドカップを戦ったタレントとポジションを争っていくことになる。だが遠藤は、この一戦で替えの利かない存在としての最初の一歩を刻んだのかもしれない。これからの4年間で、パートナーは青山から柴崎、あるいは井手口陽介らに代わっていくかもしれないが、ピッチの中央では6番が無二の存在感を増していく予感がする。
文●加部 究(スポーツライター)