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【日本サッカーの歴史を変えたゴール|前園真聖】28年ぶりに五輪の扉を開いたサウジ戦の2発!「嬉しさよりもホッとした」と後日談

カテゴリ:日本代表

佐藤俊

2018年09月04日

日本を勇気づけ、「いけるぞ」というムードを広めたゴールだった

会心のゴールに歓喜を爆発させた前園。サウジアラビア戦でのインパクトは絶大だった。(C)SOCCER DIGEST

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 苦戦必至と言われる中、4分、神のような一撃が重いたいムードを打ち破った。
 それが、前園の先制ゴールだった。
 
 中央の廣長優志から前園、廣長に戻して城彰二とつなぎ、城から出されたパスを前園がつま先で軽く前にトラップして右足で流し込んだ。美しく完璧な中央突破に日本から駆け付けたサポーターが爆発し、シャーラムスタジアムが揺れた。それは日本を勇気づけ、「いけるぞ」というムードをチーム全体に広めた極めて重要なゴールだった。
 
 54分には城とのコンビネーションで2点目を奪った。この前園の追加点で理想的なゲーム展開になったが、この後、サウジアラビアの猛攻を受け、失点してしまう。
 
 前園は、手を叩き、鬼のような形相でチームメイトを鼓舞した。
 普段は饒舌だが、プレーは黙々派の前園が声を枯らして大きな声を出していたのだ。それまでやんちゃでワガママだった前園とは異なり、人の上に立つ選手としてあるべき姿を見せてくれたのである。
 

前園はこの試合の後、スター選手の階段を一気に駆け上がった。(C)SOCCER DIGEST

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 試合は相手に押し込まれる展開が続き、いつ同点に追いつかれてもおかしくない状況だった。選手が疲弊していくなか、前園はコーナーキックでわざと転倒し、時間を稼いだ。それほど苦しかったのだ。
 
 それだけに、試合終了を告げる笛が鳴った時、感情を抑えることができなかったのだろう。あれほどやんちゃで強気な城や川口能活らが一様に涙していた。前園も日の丸を背負い、大粒の涙を流していた。そして、西野監督も、だ。
 
 その涙は嬉しさよりもホッとしたものであることを、後日教えてくれた。日本を背負い、国民の期待に応えるプレッシャーを前園であっても感じていたのだろう。
 
 これ以降、前園はカズに続き、日本サッカー界のスター選手の階段を一気に駆け上がっていった。サウジ戦の2ゴールは日本を世界へと導いた貴重なゴールであるのと同時に、前園自身の存在をもう元には戻れないほどの高みに押し上げたゴールでもあった。
 
文●佐藤俊(スポーツライター)
 
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