札幌戦は自信を失ったりするような負け方ではないが…
一方、なかなかチャンスを作れなかった札幌は、74分に交代出場の小野が2度絡んで鮮やかなワンタッチのパス回しを見せ、都倉が後半唯一のシュートチャンスから強烈な左足シュートを左ポスト際に突き刺した。このシーンに限っては、清水の守備をどうこう言うより、札幌の底力を称えるべきだろう。
「ゴールは水もの」とよく言われる。清水にも都倉と同様にワンチャンスを決めきる力のある選手がいるが、今節はその「水もの」を札幌が手にして、清水は掴み損ねたという印象がある。
試合全体を大まかに振り返ると、両チームともあまり良い内容とは言えない中で、お互いにところどころでは持ち味を発揮し、札幌が限られたチャンスを生かして勝点3を掴んだというところ。この1試合だけを見れば、清水としてもそれほどダメージを受けたり、自信を失ったりするような負け方ではない。
「ゴールは水もの」とよく言われる。清水にも都倉と同様にワンチャンスを決めきる力のある選手がいるが、今節はその「水もの」を札幌が手にして、清水は掴み損ねたという印象がある。
試合全体を大まかに振り返ると、両チームともあまり良い内容とは言えない中で、お互いにところどころでは持ち味を発揮し、札幌が限られたチャンスを生かして勝点3を掴んだというところ。この1試合だけを見れば、清水としてもそれほどダメージを受けたり、自信を失ったりするような負け方ではない。
だが、最近の流れを考えると、また別の見方になる。やりたいサッカーができていないわけではないが、失点を減らすことができず、接戦の中で勝ち越し点を決めることもできず、5試合勝利なし。勝てない試合が続くと戦い方にも疑問が出始め、悪くなかった内容も徐々に悪くなっていくという悪循環は、サッカーの世界ではよく見られること。今の清水は、そんな危険な沼に片足を突っ込んでいる状況と言える。
この後は、連戦も含めてアウェーゲームが3試合続くが、ここで踏みとどまれるか、ズルズルと沼にはまっていくのか。実際に対戦したペトロヴィッチ監督は、多少のリップサービスはあるだろうが「清水は、若い才能のある選手たちが躍動して、戦術の中で機能している素晴らしいチーム」と踏みとどまる力があることを認めている。
サポーターも含めたクラブ全体で自分たちを信じて、自力で流れを変えるところまで辛抱強く信念を貫き続けられるかどうか。今の清水には、そこが問われているのではないだろうか。
取材・文●前島芳雄(スポーツライター)
この後は、連戦も含めてアウェーゲームが3試合続くが、ここで踏みとどまれるか、ズルズルと沼にはまっていくのか。実際に対戦したペトロヴィッチ監督は、多少のリップサービスはあるだろうが「清水は、若い才能のある選手たちが躍動して、戦術の中で機能している素晴らしいチーム」と踏みとどまる力があることを認めている。
サポーターも含めたクラブ全体で自分たちを信じて、自力で流れを変えるところまで辛抱強く信念を貫き続けられるかどうか。今の清水には、そこが問われているのではないだろうか。
取材・文●前島芳雄(スポーツライター)