「ピルロはテレビ映像で映らない場面で細かい駆け引きをいっぱい仕掛けているんです」
――先ほど“超有名な選手”と言われていましたが、MLSで対戦してみて“こいつには敵わない”という選手がいれば逸話を聞かせてほしいのですが。
「うーん、ディディエ・ドログバ(元コートジボワール代表FW/元モントリオール・インパクト所属)とは何度もやっているんですが、彼はヤバかったですね。自分に当てられた楔の球を屈強なDFふたりを背負っても簡単に止めちゃうんですよね。高い位置であれをやられちゃったら太刀打ちできないというか、もうボール取れないじゃんみたいなね(苦笑)」
――MLSでは他にも世界のスーパースターが数多くプレーしていますよね。
「そうですね。ビジャ、ランパード、ピルロが揃い踏みしていた時期のニューヨーク・シティFCは凄かったな。ピルロなんかは、テレビ映像では映らない場面で細かい駆け引きをいっぱい仕掛けているんですよ。ボールを置く位置ひとつにしても感動モノのレベルで。ビジャとは私がノルウェー時代にもヨーロッパリーグで対戦(対バレンシア)しているんですが、時が経っても相変わらず上手いしね。いくら追い掛けてもボールが奪えない。後はカカ(元ブラジル代表MF)ですかね。オーランド・シティFCで選手晩年をプレーしたんですが、それでもスピードに乗った時が滅茶苦茶速いんですよ。それでいて身体も大きくて足もともある。一時代を築いてきたレジェンドたちは半端ないです。選手を辞めても一生サッカーが巧いんだろうなと思いました」
――チームメイトにも大物がいたのでは?
「ボストン時代(ニューイングランド・レボリューション)には、アメリカ代表MFのジャーメイン・ジョーンズと一緒でした。彼、ドイツでプレーしていた時期が長くて、シャルケ在籍時代には内田篤人と一緒だったと言っていました。あと面白いところだと、元アメリカ代表FWのフレディー・アドゥー(14歳10か月でプロデビューして世界を騒がせた/アメリカプロスポーツ史上最年少記録保持者)とは今のチームで一緒ですよ。彼はガーナ系アメリカ人なんですが、仲間たちから“本当は幾つなの?”と親しみを込めてからかわれていますけどね(笑)」
――そんな華々しいMLSで活躍する日本人選手の姿をもっと観てみたいと、どうしても思ってしまいます。
「はい、私もそう願っています。現役日本代表選手とかね。独特なサッカーをしますが、刺激もあって面白いですよ。誰か来ないですかね」
■プロフィール
小林大悟(こばやし・だいご)
1983年生まれ、静岡県富士市出身。清水商高卒業後の2001年に東京ヴェルディへ入団、若くして攻撃の一翼を担う存在に。06年には大宮アルディージャへ移籍し、さらに才能を開花させ、イビチャ・オシム日本代表監督によってA代表にも選出された。09年にノルウェー1部・スターベク、10年にギリシャ1部・イラクリスでプレーした後、11年に地元静岡の清水エスパルスからのオファーに応えJ復帰を果たすが、持病の腰椎椎間板ヘルニアが悪化し、手術を選択してリハビリの日々を送る。13年に渡米しバンクーバー・ホワイトキャプスに入団、14年にはニューイングランド・レボリューションへ移籍、延べ5年間MLSでプレー。そして今季加入したラスベガス・ライツFCでは、未だ錆びない技術と戦術理解能力を高く評価され、チームの中心としてプレーを続けている。
取材・文●佐々木裕介
「うーん、ディディエ・ドログバ(元コートジボワール代表FW/元モントリオール・インパクト所属)とは何度もやっているんですが、彼はヤバかったですね。自分に当てられた楔の球を屈強なDFふたりを背負っても簡単に止めちゃうんですよね。高い位置であれをやられちゃったら太刀打ちできないというか、もうボール取れないじゃんみたいなね(苦笑)」
――MLSでは他にも世界のスーパースターが数多くプレーしていますよね。
「そうですね。ビジャ、ランパード、ピルロが揃い踏みしていた時期のニューヨーク・シティFCは凄かったな。ピルロなんかは、テレビ映像では映らない場面で細かい駆け引きをいっぱい仕掛けているんですよ。ボールを置く位置ひとつにしても感動モノのレベルで。ビジャとは私がノルウェー時代にもヨーロッパリーグで対戦(対バレンシア)しているんですが、時が経っても相変わらず上手いしね。いくら追い掛けてもボールが奪えない。後はカカ(元ブラジル代表MF)ですかね。オーランド・シティFCで選手晩年をプレーしたんですが、それでもスピードに乗った時が滅茶苦茶速いんですよ。それでいて身体も大きくて足もともある。一時代を築いてきたレジェンドたちは半端ないです。選手を辞めても一生サッカーが巧いんだろうなと思いました」
――チームメイトにも大物がいたのでは?
「ボストン時代(ニューイングランド・レボリューション)には、アメリカ代表MFのジャーメイン・ジョーンズと一緒でした。彼、ドイツでプレーしていた時期が長くて、シャルケ在籍時代には内田篤人と一緒だったと言っていました。あと面白いところだと、元アメリカ代表FWのフレディー・アドゥー(14歳10か月でプロデビューして世界を騒がせた/アメリカプロスポーツ史上最年少記録保持者)とは今のチームで一緒ですよ。彼はガーナ系アメリカ人なんですが、仲間たちから“本当は幾つなの?”と親しみを込めてからかわれていますけどね(笑)」
――そんな華々しいMLSで活躍する日本人選手の姿をもっと観てみたいと、どうしても思ってしまいます。
「はい、私もそう願っています。現役日本代表選手とかね。独特なサッカーをしますが、刺激もあって面白いですよ。誰か来ないですかね」
■プロフィール
小林大悟(こばやし・だいご)
1983年生まれ、静岡県富士市出身。清水商高卒業後の2001年に東京ヴェルディへ入団、若くして攻撃の一翼を担う存在に。06年には大宮アルディージャへ移籍し、さらに才能を開花させ、イビチャ・オシム日本代表監督によってA代表にも選出された。09年にノルウェー1部・スターベク、10年にギリシャ1部・イラクリスでプレーした後、11年に地元静岡の清水エスパルスからのオファーに応えJ復帰を果たすが、持病の腰椎椎間板ヘルニアが悪化し、手術を選択してリハビリの日々を送る。13年に渡米しバンクーバー・ホワイトキャプスに入団、14年にはニューイングランド・レボリューションへ移籍、延べ5年間MLSでプレー。そして今季加入したラスベガス・ライツFCでは、未だ錆びない技術と戦術理解能力を高く評価され、チームの中心としてプレーを続けている。
取材・文●佐々木裕介