場内は停電したが、選手たちの控室は非常用電源などで事なきを得た
3点を追いかける昌平は選手たちに判断を一任した。思い思いの時間を過ごさせ、音楽を聴く選手もいれば、談笑するプレーヤーもいた様子。注目の1年生10番・須藤直輝はチームメイトと室内でリフティングをし、終始リラックスした状態で試合再開に備えた。
ただ、スタッフ側は違ったようで、藤島崇之監督が「難しい状況ではあったけど、われわれとしてはこれで試合が終わったらどうしようとか、このまま試合が成立しない場合は0-0とかになるのかなと。0-0はないでしょうと話しながら、ドキドキしていた」と言うように、追う立場の昌平としては試合の扱いに気を揉んでいたという本音も漏らした。
一方、3-0でリードをしている桐光学園側も様々な工夫をしたという。やはり、3-0で勝っている立場。予期せぬ中断で試合の流れが変わってしまうことはよくある。そうした状況を避けるべく、鈴木勝大監督は選手たちにロッカールームで認めていない音楽を聴くことを許可。それ以外でもipadで中断前までに撮影した昌平戦の動画や、ロシア・ワールドカップのゴール集などを見て、気持ちを切らさない工夫をした。
実際に主将の望月駿介(3年)は自ら決めた3点目のヘディング弾を見ていたという。「気を紛らわせてくれたのでありがたかったです。自分のゴールシーンを見て気持ちを高められました」と、大きな効果があったことを認めた。こうした時間の使い方によって再開後の試合にスムーズに入り込め、昌平戦の勝利につながったとも言えるかもしれない。
6時間の激闘を振り返った昌平の藤島監督は「10年後に再会しても、このことはみんなで話せますよ」と笑顔で話し、異例のハプニングをポジティブに回想。前代未聞の中断は選手たちやスタッフにとって、貴重な経験になったのは間違いない。
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)
ただ、スタッフ側は違ったようで、藤島崇之監督が「難しい状況ではあったけど、われわれとしてはこれで試合が終わったらどうしようとか、このまま試合が成立しない場合は0-0とかになるのかなと。0-0はないでしょうと話しながら、ドキドキしていた」と言うように、追う立場の昌平としては試合の扱いに気を揉んでいたという本音も漏らした。
一方、3-0でリードをしている桐光学園側も様々な工夫をしたという。やはり、3-0で勝っている立場。予期せぬ中断で試合の流れが変わってしまうことはよくある。そうした状況を避けるべく、鈴木勝大監督は選手たちにロッカールームで認めていない音楽を聴くことを許可。それ以外でもipadで中断前までに撮影した昌平戦の動画や、ロシア・ワールドカップのゴール集などを見て、気持ちを切らさない工夫をした。
実際に主将の望月駿介(3年)は自ら決めた3点目のヘディング弾を見ていたという。「気を紛らわせてくれたのでありがたかったです。自分のゴールシーンを見て気持ちを高められました」と、大きな効果があったことを認めた。こうした時間の使い方によって再開後の試合にスムーズに入り込め、昌平戦の勝利につながったとも言えるかもしれない。
6時間の激闘を振り返った昌平の藤島監督は「10年後に再会しても、このことはみんなで話せますよ」と笑顔で話し、異例のハプニングをポジティブに回想。前代未聞の中断は選手たちやスタッフにとって、貴重な経験になったのは間違いない。
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)