鹿島が誇る「20歳の大器」の尋常ではないスケール感! 華麗なるCBの系譜に名を刻むか

カテゴリ:Jリーグ

川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)

2018年07月29日

全治6か月の大怪我を乗り越えて

7月18日の磐田戦、およそ14か月ぶりでJ1の舞台に帰還した。長身の割も足回りが良く、フィードも正確。CB町田の総合値はすこぶる高い。写真:徳原隆元

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 ジュニアユース時代から鹿島で英才教育を受けてきた、根っからの生え抜きだ。年代別代表にも常時名を連ね、高校3年時には高円宮杯チャンピオンシップを制覇。鳴り物入りでトップ昇格を果たした。
 
 2年目の2017年シーズン、開幕からベンチ入りを続けていた町田は11節のヴィッセル神戸戦でついにプロ初先発を遂げる。ここから一気にと周囲も期待を寄せた矢先の翌節、川崎フロンターレ戦でアクシデントに見舞われてしまう。試合中に右膝前十字じん帯を損傷し、全治6か月の大怪我を負ってしまうのだ。
 
 一度どん底を見たからだろう。自分の立ち位置をしっかりと見定めている。
 
「やっぱりゼロで抑えないと評価には繋がらない。源くんが怪我で離脱しているなかで巡ってきたチャンス。この状況は変わらず続きます。そこでちゃんと結果を出さないと意味がない。(キム・)スンヒョンも新しく加入してきて、競争も一段と増すと思うので」

 
 貴重な大型の左利きCBである。長短の精緻なパスは攻撃の起点となり、ビルドアップでの貢献度も小さくない。だがG大阪戦では、受け手との呼吸が合わず、自慢のミドルパスを躊躇う場面が何度かあった。「相手の選手が(受け手に)食いついてきた時に、僕の出したいタイミングと動き出しが合わない場面がありましたね。話し合いながら改善していきたい」と苦笑い。やはりそこは、J1での試合がまだ4試合目。周囲の信頼はみずからの手で勝ち取るしかない。
 
 そしてもちろん見据えるのは、東京五輪を戦うU-21日本代表への復帰だ。昨年のU-20ワールドカップは直前まで候補に挙がりながら、大会登録メンバーには残れなかった。怪我が癒えて完全復活を遂げたいま、森保一監督を振り向かせるに十分なパフォーマンスを示している。
 
「なによりチームで結果を残さないと代表には呼ばれないでしょうから、そこは積み重ねていくしかない。今日の試合でも相手の初瀬(亮)だったり、同世代の選手と切磋琢磨しながら成長していければと思います」
 
 プロでの実戦感覚を研ぎ澄ませながら、器の大きさを随所で見せつけた町田浩樹。偉大なる常勝軍団、その華麗なるCBの系譜にまたひとり、若武者の名が刻まれそうだ。
 
取材・文●川原崇(サッカーダイジェストWeb編集部)
 
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