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【藤田俊哉の目】ワンプレーが流れを変えたW杯決勝。8強入り実現へ日本が強化すべきポジションは?

カテゴリ:日本代表

サッカーダイジェストWeb編集部

2018年07月17日

日本代表に必要なのは、ゴール前の“強度”を高める人材

セットプレーから先制点を演出したグリエーズマン。藤田氏は日本もキッカーを育成すべきと語る。(C) Getty Images

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 VAR導入によるPK数の増加が今大会のトレンドのひとつだが、セットプレーの重要性が高くなったのも、トレンドのひとつとして挙げられる。決勝戦に話を戻せば、前半に生まれた3ゴールはいずれもセットプレーから始まったものだ。
 
 ワンプレーで試合が決まる。ワンプレーで流れが変わる――。そんな試合がワールドカップでは連続していただけに、ゴールに直結するセットプレーを武器にすることは、決勝トーナメントを勝ち抜くうえでは絶対条件だろう。
 
 これから日本はワールドカップでの“ベスト8入り”が、現実的な目標となった。つまり決勝トーナメントで勝つことが求められる。今大会の傾向を見ると、ベスト4に残ったチームにはベルギーのクルトワやフランスのロリスなど、トップレベルのゴールキーパーがいるし、キッカーもクロアチアのモドリッチやフランスのグリエーズマンをはじめ、スペシャリストが揃っている。
 
 中村俊輔や遠藤保仁のようなゴールを決められる一流のキッカー、川島永嗣を超えるゴールキーパーが出てくれば、もっと良い成績を残せる可能性も高まるはずだ。攻守におけるゴール前の“強度”を高めるうえで、攻撃においてはキッカーのスペシャリストの発掘、守備においてはゴールキーパーの育成にも力を入れたい。
 
 ワンプレーという表現は当てはまらないかもしれないが、セットプレーと同じように、指揮官の采配というのも勝負の行方を大きく左右させるものだ。フランス対クロアチアの決勝戦でもそんなシーンが見られた。
 
 今大会のすべての試合をカバーしたわけではないが、私が見てきたなかで、驚くべき采配はふたつあった。ひとつは、ポーランド戦で6人スタメンを代えて臨んだ西野監督の采配。そしてもうひとつは、決勝戦の55分に見せたデシャン監督の采配だ。
 
 デシャン監督は2対1でリードしていながら、決勝戦進出の原動力となった守備の要であるカンテを後半開始早々に交代させた。準決勝までの全6試合にフル出場し、1分足りともピッチから出たことがなかった選手を、あの決勝の舞台で代えるとは……。その後、フランスの守備を安定させ、カウンターから2点を奪うことに成功している。これがリードを保持するための采配なのだろう。あの決断は驚かされた。ワールドカップで勝つためには、指揮官の采配というのも大きく影響することをあらためて教えてくれた。
 
 その後、守備の強度が高まったフランスに対し、クロアチアに反撃する力は残されていなかった。ポグバとエムバペのミドルシュートへの対応が遅くなっていたことを見ても、選手たちのスタミナは消耗しきっていた。120分間のゲームを3試合戦ってきたクロアチアに対し、90分間で勝ち上がってきたフランスの“差”が、決勝戦の後半で出た。
 
 後半立ち上がりにクロアチアがラストスパートのような猛攻を仕掛けた時間帯で同点ゴールが決まっていれば、また展開は違っていたかもしれないけれど、こちらも“たら・れば”の話になるのでやめておこう。
 
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