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【小宮良之の日本サッカー兵法書】ロシアW杯の“究極の一戦”に見つけた「情熱の力」と「教科書」

カテゴリ:連載・コラム

小宮良之

2018年07月15日

跳べない守護神が11メートルの戦いを制した

正面に蹴られた1人目スモロフのPKを左手で止めた守護神スバシッチ。ロシアは駆け引きに負ける格好で、3人目のマリオ・フェルナンデスが隅を狙って枠を外してした。 (C) Getty Images

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 そして、PK戦でも駆け引きがあった。
 
 クロアチアのGKダニエル・スバシッチは試合中、ハムストリングを痛めている。おそらく、高く強いジャンプはできなかった。しかし1本目のPKから小刻みにジャンプし、大きな構えを見せている。
 
 これに、ロシアのキッカーは緊張してしまったのだろうか。コントロールしたキックを蹴れなかった。隅っこに蹴るだけで入るはずだったが、その後も、正面に蹴ってしまったりと、心理戦で負けていた。スバシッチが駆け引きに勝ったのだ。
 
 どちらが勝ってもおかしくないゲームだった。情熱だけでは勝つことはできないが、それが旋回軸になることもある。しかし、どんな時もディテールがそこにはある。
 
「もっと勝ち進みたかったが、できなかった。4年後のカタールW杯では、もっと良い戦いができるだろう」
 
 ベスト8と健闘したロシアの、スタニスラフ・チェルチェソフ監督の言葉である。
 
文:小宮 良之
 
【著者プロフィール】
こみや・よしゆき/1972年、横浜市生まれ。大学在学中にスペインのサラマンカ大に留学。2001年にバルセロナへ渡りジャーナリストに。選手のみならず、サッカーに全てを注ぐ男の生き様を数多く描写する。『選ばれし者への挑戦状 誇り高きフットボール奇論』、『FUTBOL TEATRO ラ・リーガ劇場』(いずれも東邦出版)など多数の書籍を出版。2018年3月には『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家デビューを果たした。
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