其の弐――EURO2004グループリーグ
戦前の予想通り、序盤から攻守にわたって好連係を披露した王者フランスは、22分にジダンのFKからクロアチアのオウンゴール(トゥドール)を誘い、優勢のまま後半のキックオフを迎えた。
だが、試合は思わぬ方向へと展開する。
48分、ドリブルでペナルティーエリア内に侵入したクロアチアのロッソが倒されてPKを獲得。これをラパイッチが決めて同点とすると、クロアチアはここが勝負どころとばかりに縦への速い展開をベースに、攻勢へと転じたのである。
だが、試合は思わぬ方向へと展開する。
48分、ドリブルでペナルティーエリア内に侵入したクロアチアのロッソが倒されてPKを獲得。これをラパイッチが決めて同点とすると、クロアチアはここが勝負どころとばかりに縦への速い展開をベースに、攻勢へと転じたのである。
そして同点弾が生まれたわずか4分後、今度はゴール前でクロスを受けたプルソがフランスDF3人をかわし、強烈な弾道をゴールネットに突き刺した。
トゥドールの中途半端なバックパスをトレゼゲに決められ同点とされたが、アディショナルタイムでは途中出場のモルナルがゴール前で決定的なシーンを迎えるなど、終わってみればクロアチアの怖さを際立たせる試合となった。
※『EURO2004決戦速報号』より。一部修正
◇2004年6月17日 レイリア/マガリャエス・ペッソア
・EURO2004グループリーグB第2節
クロアチア 2-2 フランス
得点者:ク=ラパイッチ(48分)、プルソ(52分) フ=オウンゴール(22分)、トレゼゲ(64分)
ク:GKブティナ、DFシムニッチ、トゥドール、シミッチ、R・コバチ、MFラパイッチ(87分モルナル)、N・コバチ、ロッソ、ビエリカ(68分レコ)、FWプルソ、ショコタ(73分オリッチ) 監督:バリッチ
フ:GKバルテス、DFガラス(81分サニョール)、デサイー、シルベストル、テュラム、MFヴィエラ、ジダン、ヴィルトール(70分ピレス)、ダクール(79分ペドレッティ)、FWアンリ、トレゲゼ 監督:サンティニ
――◇――◇――
両国の最も直近の対峙は2011年3月29日の親善試合。サンドニで行なわれた一戦は、スコアレスドローに終わっている。ロシアW杯に出場しているメンバーでは、フランスがロリス、ラミ、マテュイディ、クロアチアはロブレン、チョルルカ、ペリシッチ、モドリッチ、ヴィーダ、ラキティッチ、ストゥリニッチ、カリニッチがプレーした。
果たして6度目の対戦で、フランスがリードをさらに伸ばすのか、あるいはクロアチアがこの大舞台で初勝利を飾るか、はたまた引き分け数が増加(つまりPK戦決着)するか!? 世界注視の一戦は、7月15日(日本時間・16日0時)にモスクワで行なわれる。