【日本代表】勝負の分かれ目になった69分の失点、GK川島永嗣の対応は正解だったのか?

カテゴリ:日本代表

清水英斗

2018年07月03日

ポスト際ではなく、もう1~2歩、中央寄りにポジションを取れたのでは?

1失点目のループシュートは、DFもカバーに入るべきだったか。(C)Getty Images

画像を見る

 コーナーキックから、ゴール前にふらふらと上がったボールに対し、GK川島永嗣が前へ出て、ルカクの上からパンチングした。こぼれ球を乾が辛うじてクリアするが、逆サイドに高く上がったボールを、先制シーンでミスを犯したフェルトンゲンが、ヘディングでループシュート。ボールはゆっくりと、ファーサイドネットに吸い込まれてしまった。
 
「あんなんで入ってしまうんだ、というのもあるし、本当に不運な形で失点したかなと思う」と大迫勇也は語っていたし、おそらく観戦した人も同じ印象を抱いただろう。ただし、あっけなくやられたように見えるが、たまに生まれるゴールの形でもある。防ぐのは決して簡単ではない。そもそもパワープレーによる得点が、きれいに決まることはほぼなく、こうやってゴチャゴチャっと、決まってしまうものだ。
 
 この失点の論点はどこにあるのか。最初に川島がパンチングしたとき、競り勝ってボールに先に触れたことは良いが、あまり遠くには弾けなかった。川島が195センチくらいある長身GKなら、もっと強くパンチングできたかもしれないが、これが精一杯。とはいえ、川島はすぐにリカバーし、体勢を立て直しているので、この処理はさほど問題ではない。
 
 注目したいのは、その次だ。乾のクリアボールが逆サイドのフェルトンゲンのほうへ向かったとき、川島は反対のポスト脇まで移動した。シュートやニアサイドへの速いクロスに備えるためには、正しいポジショニングだ。
 
 だが、フェルトンゲンの状況はどうだったか? あのハイボールでは頭で突くのが精一杯で、いきなりニアサイドにシュートを打たれる危険が大きいとは言えない。ポスト際ではなく、もう1~2歩、中央寄りにポジションを取り、浮き球の折り返しを含めて準備することは出来たのではないか。
 
 逆に、ここで川島がニアサイドにポジションを取った判断を善しとするなら、連係上、ファーサイドのカバーはフィールドプレーヤーが担当することになる。だが、そこに入る選手はいなかった。GK1人で、ニアもファーも、すべてに対応することは不可能だ。セットプレーに限らず、クロスも、シュートストップも、分担という考え方が大切になる(もっとも、この場面はカバーに入ったところで、2010年南アフリカワールドカップのスアレスのように、手を使って退場する以外、防ぐことは出来ない絶妙なループシュートだったかもしれないが)。
 
【関連記事】
【ベルギー戦|記事一覧】解説:セルジオ越後、金田喜稔、釜本邦茂、採点&寸評、プレー分析、PHOTOギャラリーetc.
【セルジオ越後】「惜敗」はなんの慰めにもならない。そこに差があることを認識しないと
「おっさんおっさん言われて…」長友佑都が帰国直前に異例の嘆願ツイート?【ロシアW杯】
「凄まじい進歩だ!」「品格ある去り方」 ベルギー戦惜敗の西野ジャパンを仏メディアが手放し称賛【ロシアW杯】
【釜本邦茂】日本にはルカクのようなFWは現われないのか? ベルギー戦は未来の指針になるゲームだ

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 王国の誇りを胸に
    4月10日発売
    サッカー王国復活へ
    清水エスパルス
    3年ぶりのJ1で異彩を放つ
    オレンジ戦士たちの真髄
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト 特別企画
    5月1日発売
    プレミアリーグ
    スター★100人物語
    絆、ルーツ、感動秘話など
    百人百通りのドラマがここに!
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 完全保存版
    1月17日発売
    第103回全国高校サッカー選手権
    決戦速報号
    前橋育英が7年ぶりの戴冠
    全47試合&活躍選手を詳報!
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ