アジア予選と大舞台で使い分けるべき「強者と弱者のサッカー」。
◆ザックジャパンの4年間
日本が自分たちのスタイルを貫けなかった理由のひとつに、メンタル面も大きく関わっているはずだ。チームとしてどれだけ強い気持ちで「自分たちのサッカーをやろう」としていたのか、正直疑わしい。大事なところで力を発揮できないメンタル面の弱さ、戦う姿勢の甘さも含め、これが日本の現在の実力ということだ。その点で見れば、今回の日本は、自分たちが追い求めた理想のスタイルを捨ててでも、結果にこだわって戦い抜いた4年前の南アフリカ大会のチームにも劣っていた。
残念ながら今回も、日本は「自分たちのサッカー」を披露できないまま、早期敗退を余儀なくされた。4年前、ベスト16進出という結果を残しながらも、その守備的なスタイルには多くの人から疑問符が付けられた。そこで、「ボールを動かしながら数的優位を作って相手を崩し、勝つ」という理想を追求し、今度こそはとの思いで大会に臨んだものの、結果は無残なものだった。
世界の勢力図における日本の位置付けが、これまでと変わっていないことが証明された今、日本は相手に応じて守備を前提にした戦いを意識することが必要になるだろう。もちろん、なるべくボールを保持して守備機会を減らすという姿勢は維持すべきだが、攻撃時のリスクのかけどころや、守備時のプレスの掛け方など、選手個々のハードワークや組織としての連動性をさらに突き詰めていかなければならない。4年前に南アフリカで結果を残した「弱者のサッカー」からも、採り入れられるものは多々あるはずだ。
◆次なる4年間に向けて
今大会で世界の壁の厚さを改めて思い知らされた日本だが、アジアでは強者としての地位を確立している。この特殊な環境が、チーム作りを困難なものにしているのは事実だ。アジア予選で自陣に引いた相手を攻略するには、ボールを保持しながら相手の守備の穴を突いていく、現状のサッカーを継続することが最善の策だろう。
そのうえで、今後はこのアジア仕様のサッカーを予選突破後に一度壊し、世界仕様のチームへとバージョンアップさせる作業が必要なのかもしれない。それは非常に困難の伴うものだが、アジアと世界の戦いの違いを認識し、戦術的な引き出しを多く持った監督であれば可能だろう。
また、これは以前からたびたび指摘されていることだが、代表メンバーの大半が欧州組で構成されるようになった現状を考えると、国内開催中心の親善試合や合宿による強化では限界がある。より多くの海外遠征を組むことが望ましいが、そこにはスポンサーとの関係など、現状の枠組みを壊す難しさも存在するはずだ。日本サッカー界として、変革が求められていることは間違いない。
ブラジル・ワールドカップでの日本代表は、結果的に8年前のドイツ・ワールドカップと同じ1分2敗でのグループリーグ敗退という結末を迎えた。8年というサイクルのなかで、日本サッカーとして進化した姿を示せず、今、誰もが大きな喪失感を抱いている。4年後のロシア大会に向けて、日本代表は厳しい歩みを強いられるが、後任監督の人事を含めて、一歩ずつ着実に這い上がっていくしかない。
【写真で振り返る】コロンビア戦
日本が自分たちのスタイルを貫けなかった理由のひとつに、メンタル面も大きく関わっているはずだ。チームとしてどれだけ強い気持ちで「自分たちのサッカーをやろう」としていたのか、正直疑わしい。大事なところで力を発揮できないメンタル面の弱さ、戦う姿勢の甘さも含め、これが日本の現在の実力ということだ。その点で見れば、今回の日本は、自分たちが追い求めた理想のスタイルを捨ててでも、結果にこだわって戦い抜いた4年前の南アフリカ大会のチームにも劣っていた。
残念ながら今回も、日本は「自分たちのサッカー」を披露できないまま、早期敗退を余儀なくされた。4年前、ベスト16進出という結果を残しながらも、その守備的なスタイルには多くの人から疑問符が付けられた。そこで、「ボールを動かしながら数的優位を作って相手を崩し、勝つ」という理想を追求し、今度こそはとの思いで大会に臨んだものの、結果は無残なものだった。
世界の勢力図における日本の位置付けが、これまでと変わっていないことが証明された今、日本は相手に応じて守備を前提にした戦いを意識することが必要になるだろう。もちろん、なるべくボールを保持して守備機会を減らすという姿勢は維持すべきだが、攻撃時のリスクのかけどころや、守備時のプレスの掛け方など、選手個々のハードワークや組織としての連動性をさらに突き詰めていかなければならない。4年前に南アフリカで結果を残した「弱者のサッカー」からも、採り入れられるものは多々あるはずだ。
◆次なる4年間に向けて
今大会で世界の壁の厚さを改めて思い知らされた日本だが、アジアでは強者としての地位を確立している。この特殊な環境が、チーム作りを困難なものにしているのは事実だ。アジア予選で自陣に引いた相手を攻略するには、ボールを保持しながら相手の守備の穴を突いていく、現状のサッカーを継続することが最善の策だろう。
そのうえで、今後はこのアジア仕様のサッカーを予選突破後に一度壊し、世界仕様のチームへとバージョンアップさせる作業が必要なのかもしれない。それは非常に困難の伴うものだが、アジアと世界の戦いの違いを認識し、戦術的な引き出しを多く持った監督であれば可能だろう。
また、これは以前からたびたび指摘されていることだが、代表メンバーの大半が欧州組で構成されるようになった現状を考えると、国内開催中心の親善試合や合宿による強化では限界がある。より多くの海外遠征を組むことが望ましいが、そこにはスポンサーとの関係など、現状の枠組みを壊す難しさも存在するはずだ。日本サッカー界として、変革が求められていることは間違いない。
ブラジル・ワールドカップでの日本代表は、結果的に8年前のドイツ・ワールドカップと同じ1分2敗でのグループリーグ敗退という結末を迎えた。8年というサイクルのなかで、日本サッカーとして進化した姿を示せず、今、誰もが大きな喪失感を抱いている。4年後のロシア大会に向けて、日本代表は厳しい歩みを強いられるが、後任監督の人事を含めて、一歩ずつ着実に這い上がっていくしかない。
【写真で振り返る】コロンビア戦