堂安律（フローニンヘン）が招集できず、伊藤達哉（ハンブルグ）も負傷で辞退するなどシャドーのポジションに思うように人材を集められなかった大会だったが、10番にふさわしい働きを見せたレフティによって、彼らの不在が際立つようなことはなかった。
 
　今季から札幌に期限付き移籍し、主軸選手としてコンスタントな出場機会を得ている効果も大きいのだろう。「自信」というメンタル面の効用に加え、「トゥーロンでこれだけの連戦をしていても身体が動けている。それは普段から試合に出続けていることはすごく大きい」と語るように、フィジカル面やゲーム体力の部分にも現われている。
 
　シャドーの位置は恐らく東京五輪世代の中でも最激戦区のポジションだ。前述の堂安や伊藤に加え、安部裕葵（鹿島）、久保建英（FC東京）ら年少世代にも候補となるテクニシャンがひしめいている。ただ、その中にあって、”日本の東京五輪世代に三好あり”を世間と世界へ改めて示す大会になったことは間違いない。

取材・文●川端暁彦（フリーライター）