【橋本英郎】プロサッカー選手とチャリティー。世界中で広がる“輪”に目を向けてほしい

カテゴリ:特集

橋本英郎

2018年06月05日

“サッカー”と“サッカーのつながり”を通して

東日本大震災以降、日本国内でも各地でチャリティーマッチが盛んに開催されるようになった(左は佐藤寿人、右は小笠原満男)。(C)Getty Images

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 日本人選手の活動も見ていきましょう。もっとも有名なのは、鹿島アントラーズの小笠原満男選手です。
 
 2011年に起きた東日本大震災において、東北地方は甚大な被害を受け、サッカーにおいても各県のクラブやサッカー施設が多大な影響を受けました。これに対し、東北のサッカー復興を目ざして、東北出身および東北にゆかりのある日本のプロサッカー選手が立ち上がります。小笠原選手は設立されたボランティア団体の発起人のひとりとなり、メディアでも告知活動を率先して行なっています。
 
 発起人は出身地毎に柴崎岳選手(青森県)、小笠原選手(岩手県)、今野泰幸選手(宮城県)、熊林親吾選手(秋田県)、秋葉勝選手(山形県)、茂木弘人選手(福島県)の6人。各々が所属するJリーグクラブ、日本サッカー協会、Jリーグ、東北および東北各県サッカー協会、さらには日本プロサッカー選手会と連携しながら、全国で東北復興に向けたチャリティー活動を展開しています。
 
 また、巻誠一郎選手は熊本地震で被災しました。復興支援サイト「YOUR ACTION KUMAMOTO」を立ち上げ、募金や物資の支援を呼びかけています。地震の発生からずっと困っている人びとのため、活動し続けているのです。
 
 彼らふたりの記事は多く目にされていると思います。彼らに比べれば小さな活動かもしれませんがほかにもあるので、紹介させてください。東京ヴェルディのチームメイトである田村直也選手の活動です。
 
 彼は2007年からベガルタ仙台に在籍し、東日本大震災で被災しました。宮城、東北でたくさんの方が被害に遭われ、明日を生きるのも精一杯の状況でした。そんななか、自分たちチームのことを応援してくれたこと、チームを希望の星として復興のシンボルにしてくれたこと、その気持ちに恩返しがしたいと考え、東日本大震災のチャリティー活動を東京で始めています。昨年末にヴェルディのホームタウンである多摩市でイベントを開催し、その収益を活用して、東北の小学校訪問や仙台市ふるさと応援寄付、サッカー協会にビブスやボールの寄付を行なっています。
 
 また同じくチームメイトの梶川諒太選手は、2014年から神奈川県内の児童養護施設訪問を続けています。そこにはさまざまな事情で親元を離れている子どもたちが共同生活をしています。子どもたちにとって楽しい時間が増えるように、会話をしたり、サッカーをしたり、一緒に夕食を食べたりしながら触れ合い、そのなかで、楽しそうに遊んでいる子どもたちの無邪気な笑顔をたくさん見たい、増やしていきたいと思うようになったようです。
 
 さらに“サッカー”と“サッカーのつながり”を通して、児童養護施設の子どもたちを支援するチャリティー活動を小池純輝選手(現・愛媛FC)と立ち上げ、その活動で得た収益を各地にある児童養護施設の子どもたちのスタジアム招待費(各チームのホームゲームなど)に充てています。
 
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