カンテラからトップに定着したのはS・ロベルトが最後。
こうしてクラブが迷走を繰り返した結果、実際は道路一本を挟んで隣り合わせに建っているミニ・エスタディ(Bチームの本拠地)とカンプ・ノウ(トップチームの本拠地)の距離は、これまでになく拡大した。
外部から獲得した選手たちの「2部でプレーできるのが入団の条件」という声を盾に、勝利至上主義に走るみずからの方針を正当化するクラブ幹部だが、カンテラ上がりの選手にとってはむしろ、プレッシャーの少ない2部Bのほうが負担は軽い。
こういった状況を受けてバルサは、カタルーニャ、あるいは国外のクラブのBチームと業務提携を結び、2008年に消滅したバルサCの再結成を検討するアイデアを打ち出した。しかし、カンテラ選手の他クラブへの流出は止まらず、ここ1年の間にも、ジョルディ・ムボウラ(現モナコ)、エリック・ガルシア(現マンチェスター・シティ)、セルヒオ・ゴメス(現ボルシア・ドルトムント)といった期待のホープが次々にクラブを去っている。
今年の夏、7歳からバルサでプレーする大型MFのカルレス・アレニャが正式にトップチームに加わる予定だが、昇格選手がひとりだけでは、クラブ幹部への責任問題が浮上するのは避けられないだろう。
外部から獲得した選手たちの「2部でプレーできるのが入団の条件」という声を盾に、勝利至上主義に走るみずからの方針を正当化するクラブ幹部だが、カンテラ上がりの選手にとってはむしろ、プレッシャーの少ない2部Bのほうが負担は軽い。
こういった状況を受けてバルサは、カタルーニャ、あるいは国外のクラブのBチームと業務提携を結び、2008年に消滅したバルサCの再結成を検討するアイデアを打ち出した。しかし、カンテラ選手の他クラブへの流出は止まらず、ここ1年の間にも、ジョルディ・ムボウラ(現モナコ)、エリック・ガルシア(現マンチェスター・シティ)、セルヒオ・ゴメス(現ボルシア・ドルトムント)といった期待のホープが次々にクラブを去っている。
今年の夏、7歳からバルサでプレーする大型MFのカルレス・アレニャが正式にトップチームに加わる予定だが、昇格選手がひとりだけでは、クラブ幹部への責任問題が浮上するのは避けられないだろう。
求められているのは、この不測の事態をターニングポイントとした原点回帰。その意味で、現在バルサBを率いるピミエンタ監督の指導の下、2017‐2018シーズンのUEFAユースリーグを制し、ユース年代の欧州王者に輝いたフベニール(17~20歳のカテゴリー)の選手たちへの待望論が高まる。
「来シーズン、バルサBはふたたび2部Bで戦うことになった。新たなプロジェクトを立ち上げることになるわけだが、我々はバルサ伝統のプレースタイルに忠実でなければならない。目先の試合結果にこだわるのも大事だが、トップチームの強化に役立つ人材を育てるのがなにより重要。それが我々に課された最大の使命なのだからね」
バルサBの監督としてクラブと2020年まで契約を結んだ“ピミ”ことピミエンタ監督は、みずからの役割についてこう説明する。
契約解除金やボーナスも含めた給与制度の見直しに加え、クラブ内における結果至上主義と伝統を重んじる考え方の二極化傾向への歯止め対策も、当面の課題として持ち上がる。
マシアの最大の使命は言うまでもなく、若手選手の育成にある。
しかし、トップチームに定着したカンテラーノ(下部組織出身者)が、2010年のセルジ・ロベルト以来、かれこれ8年近く途絶えており、近年その肝心の機能を果たすことができていないのは、もはや紛れもない事実である。
「最大の問題は、カテゴリーを落とすことではない。時間と存在意義を失ってしまうことだ」。マシアのある関係者はこう危機感を強める。テコ入れはもはや待ったなしだ。
文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙/バルセロナ番記者)
翻訳:下村正幸
※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙の記事を翻訳配信しています。
「来シーズン、バルサBはふたたび2部Bで戦うことになった。新たなプロジェクトを立ち上げることになるわけだが、我々はバルサ伝統のプレースタイルに忠実でなければならない。目先の試合結果にこだわるのも大事だが、トップチームの強化に役立つ人材を育てるのがなにより重要。それが我々に課された最大の使命なのだからね」
バルサBの監督としてクラブと2020年まで契約を結んだ“ピミ”ことピミエンタ監督は、みずからの役割についてこう説明する。
契約解除金やボーナスも含めた給与制度の見直しに加え、クラブ内における結果至上主義と伝統を重んじる考え方の二極化傾向への歯止め対策も、当面の課題として持ち上がる。
マシアの最大の使命は言うまでもなく、若手選手の育成にある。
しかし、トップチームに定着したカンテラーノ(下部組織出身者)が、2010年のセルジ・ロベルト以来、かれこれ8年近く途絶えており、近年その肝心の機能を果たすことができていないのは、もはや紛れもない事実である。
「最大の問題は、カテゴリーを落とすことではない。時間と存在意義を失ってしまうことだ」。マシアのある関係者はこう危機感を強める。テコ入れはもはや待ったなしだ。
文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙/バルセロナ番記者)
翻訳:下村正幸
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